日立、オランダの車部品会社を買収 830億円
日立製作所は19日、オランダの自動車部品会社のシャシー・ブレーキ・インターナショナルを買収すると発表した。シャシー株を6億9000万ユーロ(約830億円)で取得することで、同社株を保有する米投資ファンドのKPSキャピタルパートナーズと基本合意した。電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる次世代技術を取り込み、車部品事業を立て直す。
子会社の日立オートモティブシステムズを通じて買収する。7月末までにシャシー社の労働組合や各国政府の認可を得て、19年中の買収完了を目指す。シャシー社は自動車に使う電動パーキングブレーキをてがけ、欧米や中国の大手自動車メーカーに納入している。米国や中国、インド、フランスなど世界で12カ所に工場があり、従業員は全世界で約5500人いる。
シャシー社の18年12月期の売上高は9億3700万ユーロ(約1100億円)、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は100億円程度。シャシー社の買収で開発が遅れていた電動パーキングブレーキの製品群を獲得し、販路を広げる。
日立オートモティブの19年3月期の売上高は9710億円、売上高営業利益率は3.9%だった。日立は21年度末までに連結ベースの営業利益率を10%以上に高める。日立オートモティブは収益力の低い製品や事業の再編を進める。一方で、CASEなど次世代技術には積極的に投資する方針を示しており、今回の買収はその1つとなる。