2019年7月19日(金)

貿易の縮小鮮明に、米中貿易摩擦が重荷
経済活動の停滞広がる

経済
2019/6/19 19:47
保存
共有
印刷
その他

貿易の縮小傾向が鮮明になってきた。財務省が19日発表した5月の貿易統計では、中国経済減速の影響で輸出の減少が続き、輸入も3カ月ぶりに減少に転じた。大型連休で営業日が少なかった影響はあるが、アジア向け輸出の減少が国内製造業に影を落とす。世界全体でも貿易量は急減しており、米中貿易摩擦への不安から経済活動が停滞している可能性もある。

5月の貿易統計(速報)によると輸出額は前年同月比7.8%減で、6カ月連続で前年同月を下回った。韓国や中国向けの半導体製造装置の輸出が減った。中国向けの輸出額は10%近く落ち込み、3カ月連続のマイナスとなった。一方の輸入額も1.5%減。アラブ首長国連邦(UAE)から液化天然ガスの輸入が減った。

輸出の一部は大型連休前の4月に前倒しされていた可能性があるが、大和総研によると4~5月の輸出金額は前年同期と比べて5%減った。「連休の影響を割り引いても輸出の基調は低い」(大和総研の広野洋太研究員)との声が出ている。

オランダ経済政策分析局によると、19年1~3月期の世界の貿易量は前年同期比で0.4%増だった。17年には5%前後の伸び率で推移していたのに比べると、貿易の停滞は明らかだ。米中貿易摩擦の激化を受け、4~6月期はマイナスに転じる可能性がある。輸出依存度が高い日本の製造業への影響は深刻になりそうだ。

輸入は10連休の影響で5月上旬は落ち込んだものの、輸出と異なり中旬以降は増加に転じた。季節調整済みの前月比では1.3%増えた。「非製造業の旺盛な設備投資や公共投資の増加などが、内需を支えている」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)とみられる。

ただ、非製造業でも景気後退への警戒感は強い。内閣府と財務省が13日発表した法人企業景気予測調査では、4~6月期の大企業の景況判断指数(全産業)が製造業だけでなく、非製造業でもマイナスとなった。輸出環境の改善が見込まれないなかで、10月の消費増税後は内需もしぼんでいくおそれがある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。