図書館俳句ポスト、地域の季語を掘り起こす

文化往来
2019/6/25 6:00
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現代俳句協会(現俳協)は図書館流通センター(TRC、東京・文京)と連携し、「図書館俳句ポスト」の全国展開を始めた。一般の投句を募ることで俳句の裾野を広げるとともに、まだ歳時記に取られていない新しい季語を採集していく考えだ。

長崎市立図書館に設置した俳句ポスト

長崎市立図書館に設置した俳句ポスト

TRCが指定管理者として運営する全国約350館のうち、九州から東北までの29館に投句箱を設置した。自由題と月ごとの兼題のどちらでも投句できる。選考結果は現俳協の機関誌「現代俳句」や各館で発表する。設置館は順次増やしていく方針だ。

季語は俳句に繰り返し詠まれることで人口に膾炙(かいしゃ)し、歳時記に採用されて定着する。俳句ポストには、まだ歳時記に入っていない季語を見つけていく狙いもある。現俳協の中村和弘会長は「季語は地域の文化である」と話す。日本列島は地域によって気候風土が大きく異なるため、風土に根ざした独自の季感があるからだ。

地域性を帯びた季語を「地貌季語」と呼び、研究している俳人の宮坂静生氏は「お国言葉を使った俳句運動が今は盛んで、地域の人の喜びも掘り起こされるのではないか」と期待する。最近では「木の根明く」(木の根元の雪が丸く解ける様子)という雪国の季語が歳時記に入った例もあるという。

(村上由樹)

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