2019年8月19日(月)

トランプ氏再選戦略、世界を翻弄 出馬を正式表明

トランプ政権
2019/6/19 17:01
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【オーランド(米フロリダ州)=永沢毅】トランプ米大統領が18日、2020年11月の大統領選への出馬を正式表明した。支持基盤である保守層を鼓舞しようと米国の分断をあおり、内政・外交問わず「米国第一」の政策を加速する再選戦略が本格的に動き出す。なりふり構わず突き進む予測不能の「トランプ流」に世界はさらに翻弄されることになる。

18日、南部フロリダ州オーランドの会議場。トランプ氏が「米国をかつてないほど良くする。それが2期目を目指して出馬を宣言する理由だ」と言明すると、約2万人の支持者からひときわ大きな歓声があがった。「米国を偉大なままにする。決して失望させない」と力を込めた。

再選への柱は、16年大統領選と変わらぬ「米国第一」の政策だ。「中国が米国の雇用を盗む時代は終わった」。トランプ氏にとって対中貿易不均衡の是正は、米国に雇用を取り戻したと支持者にアピールできる重要公約の1つ。6月末の大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席に直接対応を迫る。

トランプ氏は首脳会談が不調に終われば、制裁関税の対象をほぼすべての中国製品に広げる構えも辞さない。消費財を中心とした世界のサプライチェーン(供給網)への影響は甚大で、企業は調達など事業戦略の大幅な見直しを余儀なくされかねない。

対立の度合いを増すイランへの締め付けも、大統領選と無縁ではない。トランプ氏の目には、重要な支持層である米国内のキリスト教福音派の存在がある。米有権者の約25%を占め、親イスラエルの傾向が強い。イランへの強硬色を強めるほど同国を敵視するイスラエルが歓迎し、米国内の票田の活性化につながるためだ。

民主党のオバマ前米大統領はイスラエルの意向を顧みず、イランとの核合意をまとめた。核合意を破棄したトランプ氏にはオバマ政権を否定する思惑もある。ただ、イランを追い詰めるその姿勢は中東情勢の先行きを見えにくくし、原油相場も大きく揺るがしている。

米公共ラジオ放送NPRによると、トランプ氏が再選に向けて開いた今回の選挙集会は、レーガン大統領以降では最も早い時期だったという。就任以来の集会も60回超と異例の多さで、政権運営よりも選挙重視の姿勢が浮かぶ。

トランプ氏は現職大統領として民主を迎え撃つが、下院を野党の民主が制する「ねじれ議会」で政策面での実績をこれ以上積むのは難しい。このため「想定される民主の候補を攻撃し続け、相対的に自身への支持を高める手法をとる」(共和のコンサルタント)という。

ノースイースタン大のウィリアム・メイヤー教授は「再選への最大のカギは投票日まで景気を維持できるかだ」とみる。この約50年で再選に失敗したブッシュ(父)、カーター、フォード各元大統領に共通するのは、経済政策の不手際や景気の低迷だった。

共和内には「トランプ氏なら、景気への影響を懸念して米中貿易戦争を早期に収束させる選択肢も排除しないだろう」との見方もある。選挙最優先のトランプ流に拍車がかかり、政権運営の先行きを予測するのはさらに難しくなる。

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