2019年7月20日(土)

19年度の実質成長率は0.5%、20年度は0.7%成長 NEEDS予測
海外の不透明感強く、景気の足取りは緩やか

経済
2019/6/19 15:35
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が6月10日に公表した2019年1~3月期の国内総生産(GDP)の2次速報値を織り込んだ予測によると、19年度の実質成長率は0.5%、20年度は0.7%の見通しになった。

19年1~3月期の実質GDPは前期比0.6%増(年率換算で2.2%増)だった。1次速報から設備投資が上方修正され、成長率は0.1ポイント上方修正された。

4~6月期は民間最終消費支出(個人消費)と設備投資が前期から増加する。ただ、輸入が前期の落ち込みからの反動で高い伸びとなる一方、輸出はわずかなプラスにとどまることで、実質GDPは前期比マイナス0.2%となる見込み。

■19年度前半の輸出の回復は弱い

1~3月期の輸出は大きく落ち込んだが、4~6月期も大きな反発は見込めそうにない。大型連休の影響も影を落としており、財務省公表の貿易統計では5月上旬の通関輸出額が前年同期比30.4%減少した。GDPベースの輸出は前期比0.3%増にとどまるとみている。

米国の通商政策の不確実性は一段と増している。トランプ米大統領は5月30日に、不法移民流入へのメキシコの対策が不十分だとして同国に最大25%の関税を課すと表明した。両国間の協議の結果、追加関税の発動は見送られたものの、世界経済への不透明感が強まった。ただ、本予測では米中貿易協議が年内に妥結するとみている。また、米中で経済対策がとられることで、世界経済は深刻な景気後退を免れると想定している。日本の輸出は、19年度は前半の回復が弱く前年度比0.8%減となるものの、20年度には同2.3%増に伸びが戻るとみている。

■設備投資は底堅いが伸びは緩やかに

経済産業省が6月10日に公表した4月の鉱工業出荷指数では、国内向け投資財出荷は1~3月期対比3.6%伸びている。設備投資の先行指標となる内閣府公表の機械受注の「船舶・電力を除く民需(季調値)」も、1~3月期は前期比マイナスだったが、4月は前月比プラスとなった。4~6月期の設備投資は前期比0.1%増となる見込みだ。

19年度の設備投資計画は依然として底堅い。ただ、景気減速で設備投資が手控えられる可能性もある。6月13日に内閣府と財務省が公表した19年4~6月期の法人企業景気予測調査では、景況判断指数(BSI)は大企業製造業でマイナス10.4、非製造業もマイナス0.4だった。本予測では、GDPベースの設備投資は前期比プラスが続くものの伸びは緩やかになると見込んでいる。19年度は前年度比1.7%増、20年度は同1.0%増の見通し。

■4~6月期の消費はプラスの伸びに

GDPベースの消費と似た動きをする内閣府の消費総合指数は、4月に1~3月期対比で1.7%上昇するなど4月の消費は好調だった。ただ、5月はその勢いが続かなかったもようだ。内閣府が6月10日に公表した5月の景気ウオッチャー調査では、家計関連の現状判断DI(季調値)は前月比0.6ポイント低下した。4~6月期の個人消費は前期比0.4%程度の伸びとなる見込みだ。

19年度の賃金も緩やかな増加が続くとみている。連合が6月7日に公表した春季労使交渉(春闘)の第6回回答結果では、定期昇給と基本給の底上げ部分を示すベースアップ(ベア)を合わせた平均賃上げ率は2.08%と前年同時期の集計と同率で、堅調だ。本予測では、賃金の増加に支えられ個人消費も底堅く推移するとみている。19年度の個人消費は前年度比0.5%増、20年度は同0.6%増となる見込みだ。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが19年6月に公表した改訂短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 田中顕、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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