住民ら「余震不安で寝付けず」 一夜明け、被害徐々に
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日本海側の幅広い地域を襲った地震から一夜明けた19日朝、被害の様子が徐々に明らかになってきた。震度6強を観測した新潟県村上市では家屋の瓦や塀が壊れ、斜面が崩れ落ちた場所も。「余震が怖くて眠れなかった」。朝から続く雨の影響で土砂災害が起きる恐れもあり、住民は緊張を強いられた。
「家の中もめちゃくちゃ。棚から食器が落ちてタンスはひっくり返った」。村上市の府屋地区に住む主婦の女性(73)は、自宅の割れたガラスや崩れた外壁のかけらをほうきで掃きながらため息をついた。
地区では多くの家で屋根の瓦が落ちてブロック塀が壊れ、朝から住民が片付けに追われた。女性は18日夜、テレビを見ていて立てないほどの激しい揺れに襲われ、避難所で一夜を明かした。
26人が亡くなった1964年の新潟地震でも、村上市は大きな被害を受けた。女性は「あの時は潰れる家もあったが、今回の方が揺れは強かったように思う」と話す。市は家屋を一軒一軒まわり、被害状況の確認を急ぐ。
80代の母親を連れて山北総合体育館に避難した50代女性も、就寝中に強烈な縦揺れに見舞われた。「余震が怖くて寝付けなかった。母は心臓に持病があって歩くのもやっとで、また強い地震があったらどうすれば」と不安を口にする。
体育館近くの道路脇では斜面が幅10メートル近くにわたり崩壊。市内の国道345号のトンネルでも落石が発生し、午前10時時点で通行止めとなっている。早朝から雨が断続的に降っており、気象庁は土砂災害への警戒を呼びかけている。