2019年7月21日(日)

NY株、最高値に接近 「緩和競争」依存に危うさも

北米
2019/6/19 5:16
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利下げ期待が米国株の追い風になっている=ロイター

利下げ期待が米国株の追い風になっている=ロイター

【ニューヨーク=後藤達也】18日の米株式相場は大幅続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比353ドル高の2万6465ドルで、昨年秋に付けた史上最高値(2万6828ドル)が視野に入った。世界的に金融緩和競争に向かうとの思惑で株式市場に資金が再流入している。だが世界経済の不透明感は濃く、緩和頼みの株高には危うさもある。

18日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の講演がニューヨーク市場でも話題を集めた。経済・物価情勢が改善しなければ「追加の刺激策が必要になる」と発言した。フランスの10年物国債が初めてマイナス金利をつけたほか、財政不安の残るスペイン10年債も0.3%台に低下した。

世界から金利が消えゆく状況で、2%の利回りがつく米10年債は相対的な投資妙味はなおも際立つ。18日は欧州市場の流れを引き継ぎ、米国債が買われ、一時2.01%と1年9カ月ぶりの低水準となった。トランプ政権発足後で初めてとなる2%割れも目前に迫った。

米国株は金利低下を好感し、大きく上昇した。18日朝にはトランプ大統領が28~29日の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)にあわせ米中首脳会談を開くことで合意したと明らかにし、ダウ平均の上昇幅は一時400ドルを超えた。通常、株価と長期金利は同じ方向に上下するが、この1カ月は「金利低下→株高」の構図が鮮明になっている。

18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)への注目も高まっている。今回は利下げを見送りつつも、7月の利下げを示唆するとの見方が多い。市場は7月までの利下げを8割以上織り込む。米中摩擦を起点に世界的な緩和競争が広がるとの見立てが市場に広がっている。

ただ、緩和頼みの相場には危うさもある。貿易戦争で世界経済の不確実性は大きく高まっており、だからこそ緩和競争の色彩が強まっている。ニューヨーク連邦準備銀行が長短金利差をもとに推計した「米景気後退確率」は3割近くと、過去の景気後退局面と並ぶ水準に上昇。米モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は「FRBが利下げしても景気減速や後退の流れを止められない」と指摘する。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利は2%台と過去の局面と比べ低く、日銀やECBの利下げ余地はさらに乏しい。

ニューブリッジ・セキュリティーズのドナルド・セルキン氏は「企業業績や景気への見通しは暗く、利下げ期待が剥落すれば株安が避けられない」と指摘する。緩和への催促が世界的に強まる中、パウエル議長はどういう姿勢で19日の記者会見に臨むのか。市場との難しい対話を強いられる。

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