「横揺れ、どんどん大きくなった」夜中の揺れに声震わせ - 日本経済新聞
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「横揺れ、どんどん大きくなった」夜中の揺れに声震わせ

18日深夜、新潟・山形などの日本海沿岸部が強い揺れに見舞われた。新潟県村上市で震度6強を観測。コンビニエンスストアの棚からは商品が落ち、自治体には被害に関する通報が相次いだ。「こんな揺れは初めて」「津波は大丈夫か」。被災地は余震や津波へ警戒を強め、住民らは眠れぬ夜を過ごした。

「横揺れがどんどん大きくなった。経験したことのない揺れだった」。震度6強を観測した村上市のコンビニ店の男性店員(22)は声を震わせた。激しい横揺れが同市を襲ったのは18日午後10時20分すぎ。店内で皿を洗っている途中、菓子や化粧品などの商品が次々に床へ落ち、安全確保のため店内にいた客を急いで外へ誘導した。「揺れが収まったのに、まだ体が揺れているようだ」と興奮気味に話した。

同市内で商店を経営する佐藤富昭さん(75)は店舗を兼ねた自宅の2階で大きな横揺れに遭った。窓枠の一部が外れ、隣接するコンクリート製の倉庫の壁にはヒビが入った。

自宅の家具は固定していたため倒れなかったが、倉庫内に置いていた商品のテレビやタイヤなどが散乱し、足の踏み場もない状態。近所の住民と「ガス漏れに気を付けよう」と声を掛け合っているといい、「余震も心配。きょうは寝られそうにない」と不安げに語った。

村上市によると、強いゆっくりした揺れが約20秒続いたという。災害対応で出勤した男性職員は「家から出て外の様子をうかがう市民が多くいた」。市には地震被害に関する住民からの電話が殺到。市はパトロールを行い状況確認を急いでいるが、職員は「被害の全容はつかめていない」と慌ただしい様子だった。

村上市の公民館「さんぽく会館」には避難した約50人が身を寄せた。高齢者を背負って避難した人もいたという。市職員の男性(42)によると、住宅街では塀が傾き、道路上には小さな落石も多数あるという。

震度6弱を観測した山形県鶴岡市の伊藤良也さん(75)は自宅で就寝中に強い揺れに遭い、跳び起きた。室内灯をつけようとしたが停電しており「屋外に出て隣近所の住民と無事を確認し合った」。停電が復旧したのは約30分後。家の中を調べると、テレビや仏壇が倒れていたという。

同市の沿岸部にある旅館の男性従業員(56)は「2011年の東日本大震災のときよりも強い揺れを感じた」。安全な上階から海を観察して津波に警戒したといい「大きな波が来る可能性があり、恐怖を感じた」と話した。

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