2019年7月18日(木)

大和ハウス、制度の理解浅く法令軽視 改革へ新組織

住建・不動産
2019/6/18 22:21
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大和ハウス工業は18日、不適切住宅問題に対する外部調査委員会の最終報告書を発表した。報告書は大和ハウスが「(国の)認定制度の在り方について、あまりにもうかつに集団的な誤信を起こした」と指摘し、法令順守体制の再構築など再発防止策をとるよう提言した。

外部調査委は報告書で、法令順守体制の不備を指摘した。2000年に改正建築基準法が施行され、事前に認定を受ければ一定の審査が省略される制度が始まった。大和ハウスでも新制度に関する研修は実施したが「設計者全員に理解させるという大事な目的を達成するための効果的な運用」がされなかったという。

社内のコミュニケーション不足も問題の一因になったと指摘した。建築現場で従来使ってきた基礎を新制度下でも使うには、新たに型式の適合認定を申請する必要があるが、大和ハウスはしていなかった。現場では従来方式が使えなくなるとは想定もしていなかったと報告書は指摘した。

大和ハウスの芳井敬一社長は18日、意図的な隠蔽は否定した。

同社では3月、中国のグループ会社で巨額の横領も発覚した。18日にはこの問題に関する第三者委員会の調査報告書も公表。不正はパートナー企業から派遣された役員によるもので、大和ハウス出身役員の関与はないと第三者委は結論づけた。

不祥事が相次ぐ背景にあるのが、急成長のひずみだ。19年3月期に連結売上高が初めて4兆円を突破し、10年前の2倍以上に拡大した。祖業の住宅に加え、インターネット通販向け物流施設の建設などに業容を広げた。

一方、住宅事業での不適切施工の発覚は14年以降で4度目だ。芳井社長は社内風土が不祥事の遠因になった可能性について「それはないと断言できる」としたが、企業規模の拡大にチェック体制の整備が追い付いていなかったのは明白だ。

急成長をけん引してきた樋口武男会長は、25日付で代表権を返上し最高経営責任者(CEO)から退任する。強烈なリーダーを欠くなかで新たな体制を構築し、同時に信用回復を果たすには、根本的な改革が必要だ。

同社は18日、法令順守や品質保証を推進する社長直轄の部署を10月にも設置すると発表した。従業員に国の認定制度を理解させるための検定も導入する。まずは後手に回ってきた企業統治の改善を急ぐ。

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