トランプ氏がドラギ氏批判 緩和発言に「不公正」
【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は18日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加の金融緩和の可能性に触れた発言に対して「通貨ユーロを下落させ、米国との競争を不公正に簡単にしている」と批判した。トランプ氏は米連邦準備理事会(FRB)にも口先で政策面に介入してきたが、他国・地域の金融政策にまで矛先を向け始めた。
トランプ氏は18日にツイッターに投稿し、ドラギ氏の発言で「ユーロは対ドルですぐさま下落した」と指摘。ECBの緩和的な政策がユーロ安につながり、米企業にとって競争上不利になると主張した。さらに「中国やほかの国と同様に(ECBは)長年の間(金融緩和で)ごまかしてきた」とも批判した。
主要国は中銀の政治からの独立をうたってきたが、トランプ氏はFRBに公然と利下げを求めて口先介入を繰り返している。一国の首脳が他国・地域の金融政策にまで批判の矛先を向けるのは極めて異例で、市場にも波紋を広げそうだ。