悪質クレーム、担当者の55%が「増えた」 民間調査
顧客や取引先からの悪質なクレーム、理不尽な要求といった「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を巡り、会社の苦情対応の担当者や経験者の55.8%が「最近3年間で増えた」と感じていることが18日までに、民間の調査で分かった。
社員を守るための顧客対応マニュアルがあるとの回答は31.4%にとどまり、企業の対策が遅れている実態も浮かび上がった。政府は相談体制整備など企業が取り組むべき対応策を来春までに指針で示す方針だ。
調査は企業の危機管理コンサルティング会社エス・ピー・ネットワーク(東京)が5月にインターネットで実施。クレーム対応の経験がある20~60代の男女計1030人が回答した。
最近3年でカスハラが増えているかどうかを尋ねたところ、「とても増えている」が14.7%、「増えている」が41.1%で、半数以上が増加と回答。「変わらない」は41.8%で、「減っている」「とても減っている」は計2.4%にとどまった。
カスハラを受けた人に具体的な被害(複数回答)を聞くと、「何度も同じことを言う」、「論点がずれたクレーム」、土下座や社員の解雇といった「不当な要求」がいずれも70%を超え、上位を占めた。
勤務先の顧客対応マニュアルの有無については「作成されておらず予定もない」が51.6%に上った。「作成予定」は17.1%だった。〔共同〕