新潟大学の研究チームは、ヒバなどの植物に由来する成分が肺炎の原因になる肺炎球菌を殺菌する効果があることを突き止めた。肺炎の新たな予防策や創薬に応用できる可能性があるという。今後はマウスを使った実験などを通じ、実用化を目指す。
新潟大の土門久哲准教授や寺尾豊教授らはヒバなどから採れる成分「ヒノキチオール」に着目。肺炎球菌の株に様々な濃度のヒノキチオールを投入する実験を行った。
既存の抗生物質が効きづらくなっている肺炎球菌でも、一定以上の濃度のヒノキチオールを加えると増殖を抑えられたほか、殺菌効果があることを確かめた。ヒノキチオールがヒトの細胞を傷つける作用がないことも確認した。
肺炎球菌は既存の抗生物質が効きづらい耐性菌が増え、治療の課題になっている。研究チームはヒノキチオールが新たな抗菌薬の開発などに役立つとみて、研究を進める。