インド外しRCEP、中国が提案 交渉停滞受け

2019/6/18 16:52
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【シンガポール=中野貴司】東南アジア諸国連合(ASEAN)は20日から23日まで、タイのバンコクで首脳会議を開く。22日には経済相が集まり、日中韓、インドなど16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内合意目標を確認する。ただ、中国がインド抜きの自由貿易協定(FTA)を提案するなど参加国の足並みは乱れており、妥結への道筋はみえない。

インドは国内経済への影響を懸念し、大型な関税撤廃には慎重だ(2018年11月のRCEP首脳会合で記念撮影に臨むモディ首相(中))=ロイター

RCEPは参加国の人口が世界の約5割、貿易額が約3割に達する大型の経済連携協定だ。ASEANはタイやインドネシア、インドなど参加国の選挙が終わった今が妥結への機運を高める好機とみて、22日にRCEPに議題を絞った特別会合を設けた。16カ国中10カ国を占めるASEANが主導して、米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)に次ぐ大型の貿易協定の早期実現を目指す。

ところが、中国は4月にラオスで開かれたASEANと日中韓の事務レベル会合で、ASEANに日中韓を加えた13カ国での経済連携の枠組みを提案した。「東アジア経済コミュニティー(EAEC)の青写真」として示した文書には、EAECの主要な協力分野に「FTAの構築を含む」と明記した。

これはRCEPの参加国からインドとオーストラリア、ニュージーランドを除外して、新たなFTAの締結を目指すともとれる内容で、日本やASEANの一部の国がその場で反発した。中国側には、日米が中国の台頭をにらんで打ち出した「自由で開かれたインド太平洋構想」で連携するインドや豪州などをけん制する思惑も透ける。

RCEP交渉の停滞への中国側のいらだちも背景にある。交渉は13年に始まったものの、特に大幅な関税撤廃に慎重なインドと、それ以外の15カ国の隔たりが大きい。

中国側は5月に開票された総選挙でモディ首相が率いる与党が勝利したことで、第2次モディ政権が国内の反対勢力を抑えて、RCEPの早期妥結に前向きな姿勢に転じると期待していた。ただ、自由化に慎重とされるゴヤル氏がモディ政権の商工相に就任したことで、期待は早くもしぼみつつある。ASEAN内でもインドが高い自由化率の受け入れなどの妥協にすぐに転じる可能性は低いとの見方が広がっている。

ASEANは22日の特別会合では、EAECを議題とせず、あくまでRCEPの年内妥結を優先する方針を確認する見通しだ。ただ、ASEANにはカンボジアやラオスといった中国に近い国が存在する。今後、中国に同調する声が強まる可能性もある。

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