2019年7月24日(水)

能の名手、浅見真州と梅若実 円熟の至芸を披露

文化往来
2019/6/24 6:00
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浅見真州は「西行桜」で老桜の品格と華、芯の強さを表現した(撮影:前島吉裕)

浅見真州は「西行桜」で老桜の品格と華、芯の強さを表現した(撮影:前島吉裕)

日経能楽鑑賞会が6、13日、東京・国立能楽堂で開かれた。初日は浅見真州、2日目は梅若実と能楽界を代表する観世流の名手2人が、それぞれ「西行桜」と「遊行柳」という対照的な演目で円熟の至芸を披露し、観客を魅了した。

「西行桜」は平安末期の歌人、西行が庵(いおり)で桜を眺め歌を詠んだ夜、夢に桜の老木の精が現れる。精が西行と心を通わせ、閑雅な舞いを舞う幻想的な作品だ。一方の「遊行柳」は、奥州白河を訪れた遊行上人の前に朽ち木の柳の精が姿をみせる。昔、西行が詠じた歌や柳の故事を語り、上人の念仏によって救われた喜びを舞う。春と秋、老桜と老柳、都と鄙(ひな)、惜春と懐旧の情と、対極的な世界を現出させた。

両日鑑賞した能楽研究者の西野春雄・法政大学名誉教授は、浅見氏のシテ(老桜の精)について「さびた味わいのある謡、気高い風姿と美しい運び、力強い足拍子で、老木の品格と華、芯の強さを表現した」と語る。人間国宝の梅若氏のシテ(柳の精)は「華やかさと寂しさが溶け合った深い謡で、よろよろ弱々と朽ち木の柳の精の風情を描出した」と振り返った。

前半は狂言を上演。野村万作による「伊文字」は軽やかさ、野村萬による「萩大名」は無邪気さが光る名演で会場の笑いを誘った。

(佐々木宇蘭)

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