2019年8月22日(木)

世界で勝つスタートアップを G1が起業家イベント

2019/6/17 20:12
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一般社団法人G1(東京・千代田、堀義人代表理事)は16日、スタートアップ企業の経営者ら約300人を集めたイベント「G1ベンチャー」を開いた。日本のスタートアップが世界で勝つための戦略をテーマに、海外進出の手法やベンチャーキャピタル(VC)の支援のあり方を様々な角度から議論した。

スタートアップの海外展開について話すメルカリの小泉文明社長(右端)

G1は2013年の設立で経営者や政治家、研究者らが参加する会議の運営や政策提言などの活動をしている。G1ベンチャーは今回が6回目の開催となる。

冒頭のセッションでは経営共創基盤の冨山和彦最高経営責任者(CEO)が堀義人氏と対談した。デジタル革命が進み、インターネット上で完結する新たなビジネスが生まれる余地は乏しいと指摘したうえで、冨山氏は「この先はリアルとバーチャルの融合が重要。日本からグローバルベンチャーが生まれる機会は増えている」と述べた。

堀氏は代表取締役を務める独立系VC、グロービス・キャピタル・パートナーズ(東京・千代田)が1社に最大50億円出資できるファンドを設立したことを紹介した。「起業家が世界基準を目指せば資金は集まる。国内VCだけでなく海外からも集めればいい」と経営者に奮起を促した。

創業初期から海外市場を狙うスタートアップは日本ではまだ少ない。ともに米国事業を手がけるメルカリの小泉文明社長とスマートニュース(同・渋谷)の鈴木健CEOはスタートアップの海外展開について議論した。小泉氏はメルカリ米国法人のジョン・ラーゲリンCEOを米フェイスブックから招いた経緯を振り返り、トップ人材への投資を出し惜しむようでは海外事業の成功も見込めないと話した。「数億円の報酬は当然のことだ。VCの理解も必要」という。

ニュースアプリのスマートニュースは米国では利用者に勧めるニュースの政治的バランスに配慮する仕組みを導入し、ユーザーが増えているという。鈴木氏は多様な利用者のニーズをつかむために1次情報を集める必要性を強調した。「自ら米国の23州を訪れ、普段使うアプリなどを100人超に聞き取り調査した」という。

どうすれば日本発のユニコーン(企業価値が10億ドル超の未上場企業)をさらに生み出せるのかについて、VCの投資担当者らも討論した。リアルテックファンド(同・港)の永田暁彦代表は「日本から(米IT大手の)GAFAは生まれなくても、技術で勝負するホンダファナックはもう一度つくれると考えて研究開発型企業に投資している」という。

ジェネシア・ベンチャーズ(同・港)の田島聡一社長は「メルカリやラクスルのような大規模上場の事例を増やし、起業家の目線を高める必要がある」と指摘した。日本でもスタートアップ投資額やファンドの組成額が増え、資金調達環境は整ってきている。世界で存在感を発揮するスタートアップを生むには、起業家の層の厚みが一段と重要になる。

(山田遼太郎)

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