2019年7月22日(月)

農研機構、温暖化に伴うブドウの着色不良を予測

科学&新技術
2019/6/17 18:28
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農業・食品産業技術総合研究機構は地球温暖化の進行に伴い、ブドウの色づきが悪くなる地域を予測した地図を作った。着色不良は主力品種「巨峰」「ピオーネ」などで起きており、商品価値が下がることから深刻な問題となっている。2031年以降、西日本を中心に標高が低い沿岸地域などで発生頻度が50%を超えるという。生産者や自治体の対策づくりに活用できる。

着色不良となったブドウ「巨峰」(農研機構提供)

農研機構は2031~2050年の「巨峰」が着色不良になる頻度を地図で表した(同機構提供)

巨峰は満開後50~92日の平均気温がセ氏27.5度を超えると、果皮を黒くする色素の合成が阻害されて「赤熟れ(あかうれ)」と呼ぶ着色不良が起こる。味には影響がないが、日照不足などで糖度が低下した時に出る着色不良と見分けがつかないため商品価値が下がってしまう。

農研機構は近未来(31~50年)と世紀末(81~2100年)を対象に、国際的に温暖化の想定に使われている3つのシナリオに沿って、巨峰の着色不良の発生頻度を1キロ四方単位で本州から九州にかけて予測した。

近未来には日本の全陸域の平均気温は、1981~2000年に比べて1.5~1.9度上昇することになり、甲府盆地をはじめ多くの主要産地で、発生頻度は20%を超えるとした。特に夜間の温度が下がりにくい標高が低い沿岸地域などで発生頻度が高いという。

20%超となる地域は被害を減らす対策として、暖房を使わないハウスなどで栽培時期を2~3週間早めたり、着色しやすい品種を栽培したりすることを検討する必要があるという。

地図は農研機構のウェブサイトで入手可能。今後は醸造用のブドウやリンゴなどの将来予測も進める。

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