積水化学、米航空機部品会社を561億円で買収

積水化学工業は17日、米航空機部品メーカーの「AIMエアロスペース」を買収すると発表した。買収額は5億1000万ドル(約561億円)で、積水化学の買収案件としては過去最高額となる。AIM社が持つ炭素繊維の複合材を使った部品加工技術を取得するほか、同社の販路を生かして航空機部品向けの高機能樹脂事業の拡大を目指す。
17日午後3時から記者会見を開き、積水化学の高下貞二社長が出席予定。2017~19年度の3カ年の中期経営計画でM&A(合併・買収)向けに1300億円の投資枠を設定していた。
米ファンドのリバティ・ホール・キャピタル・パートナーズなどから、AIM社および6つのグループ会社の全株式を取得する。19年後半にも株式取得を完了する。
AIM社はワシントン州シアトルに本社を置き、航空機やドローン向けに炭素繊維複合材の成形品を製造・販売する。18年度の売上高は1億7850万ドル(約196億円)。
積水化学は航空機や次世代自動車の分野で、AIM社の炭素繊維の加工技術を使った製品供給を目指す。航空機やドローン関連市場での自社の高機能樹脂の販売も広げる。
積水化学は自動車や航空機などモビリティー分野で高機能樹脂などの素材販売などを強化し、2020年代に売上高を18年度比75%増の2兆円にする計画だ。営業利益もほぼ倍増の2000億円を目指している。