ラジコがターゲット広告、聴取履歴から広告差し替え
地上波のラジオ放送のインターネット配信を手掛けるradiko(ラジコ、東京・中央)は、同社がライブストリーミング配信するラジオ番組のCMを、元の番組のCMから視聴者に合わせたCMに差し替える「radiko audio Ad」を「Interop Tokyo 2019」(6月12~14日、幕張メッセ)の併設イベント「Connected Media Tokyo 2019」で展示した。
同社が手掛ける「radiko」は、難視聴対策などを目的として地上波のラジオ放送をインターネットでライブストリーミングするサービスである。地上波のネット配信では権利関係で配信が難しい楽曲やスポーツ中継も、極力カットされずに配信されている。スマートフォンで手軽にほぼ全ての地上波のラジオ放送が聴けることから最近人気が高まっている。スマホアプリのダウンロード数は約3000万件、定期利用するユニークユーザー数は約700万人、1日当たりのユニークユーザー数は約130万人とする。

radiko audio Adは地上波で放送されるCMを、radikoを通して視聴する場合、年齢や性別などのユーザー属性を基に別のCMに差し替える。18年から実験的に運用を開始し、すでに約40社の広告配信で利用しているという。
しかし、radikoでユーザーから年齢や性別などの属性データを直接取得しているのは、有料サービスの登録会員だけだ。ラジオ放送を代替する使い方をする限りは、一般ユーザーは個人情報を登録する必要はない。
そのため、一般ユーザーの属性情報は聴取履歴などを基に推定する。推定に必要なデータの蓄積や統合、解析には「ラジコDMP(デジタルマネジメントプラットフォーム)」を使う。ラジコDMPには、ユーザーの聴取履歴やアプリの利用履歴などの自社データの他に、他社の調査データなども合わせて蓄積される。

(日経 xTECH/日経エレクトロニクス 松元則雄)
[日経 xTECH 2019年6月14日掲載]