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インド、米向け報復関税 アーモンドなど30品目弱

特恵制度の撤廃に対抗

【ニューデリー=馬場燃】インド政府は16日、米国からの輸入品に対する関税を引き上げた。対象はアーモンドやリンゴなどの30品目弱。トランプ米政権は5日、インドの保護主義政策を批判して一般特恵関税制度(GSP)を撤廃した。この措置に対する報復関税とみられる。米印間でも貿易摩擦が強まる懸念が出てきた。

インドのゴヤル商工相が15日夜に方針を示した。米印間の貿易額は2018年に1420億ドル(約15兆3千億円)。関税引き上げは米国からの輸入品のうち30品目弱とみられ、クルミやレンズ豆も含まれる。アーモンドやリンゴは、インドが米国産の世界有数の買い手となっている。地元メディアによると、関税引き上げによる関税収入は2億ドル程度という。

インドの関税引き上げは米国への報復措置との見方が強い。

米政権はインドに対するGSPの適用を5日付で終了した。インドが幅広い貿易障壁を設け、米国の輸出に悪影響を及ぼしていると判断したためだ。トランプ大統領は最近も米メディアに「インドのモディ首相は友達だが、米国の二輪車にかけている高い関税は受け入れがたい」と発言した。

GSPは途上国などの経済発展を促すために設けた制度で、それらの国から米国に向かう輸入品の一部にかかる関税を免除する仕組みだ。18年はインドから米国への輸入品のうち、自動車部品やステンレス製品など約63億ドルが対象だった。米国の対インド輸入額の1割強を占めており、インド経済にとって制度除外の影響は小さくない。

インド政府は米国の措置に「不幸な対応」との見解を表明し、2週間もたたないうちに関税引き上げに動いた。

米印は6月末の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の際に対談するとの観測があり、貿易も議論になる見通しだ。インドにとって米国はインド洋に進出する中国をけん制するうえでの外交上のパートナーでもあり、第2次モディ政権は難しい課題を抱えた。

14年からの第1次モディ政権は経済政策が実を結ばず、足元の成長率は5年ぶりに7%を下回っている。外資からの投資や技術の受け入れを軸にした製造業の振興が大きな課題になっている。

18年度のインドに向けた海外からの直接投資は前年度比1%減と微減になった。直接投資の内訳はモーリシャスとシンガポールが5割強を握り、米国、日本、ドイツといった主要国はそれぞれ1割にも満たない。ある日系企業幹部は「配当税など外資に課される複雑な関税がハードルになっている」と言及する。

インドの関税引き上げは自国産業の約5割を占める農家の保護にはプラスとなる半面、成長の底上げを狙う投資環境の整備にはマイナスに働く。世界経済は昨夏から米中の貿易戦争に揺れているが、米印の対立が新たな火種になる恐れもある。

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