2019年9月16日(月)

香港、再び大規模デモ200万人参加 「撤回せず」に反発

2019/6/16 18:32
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「逃亡犯条例」改正案に反対し、香港中心部をデモ行進する人たち(16日、香港)=三村幸作撮影

「逃亡犯条例」改正案に反対し、香港中心部をデモ行進する人たち(16日、香港)=三村幸作撮影

【香港=木原雄士】香港の民主派団体は16日、「逃亡犯条例」改正案の完全撤回や林鄭月娥行政長官の辞任を求める大規模デモを実施した。主催者は200万人近くが参加したと発表した。前回9日の103万人を大幅に上回り、1997年の中国への返還以降で最大のデモとなった。林鄭氏は15日に改正を延期すると表明したものの撤回には応じず、市民の反発が強まった。林鄭氏は市民に陳謝したが、事態が収束するかは見通せない。

改正案は香港で拘束した容疑者を中国本土に引き渡せるようにする内容。中国に批判的な人物が移送対象になるとの懸念が強い。デモ参加者は「中断ではなくすぐに撤回を」などと書かれたプラカードを掲げ香港島のビクトリア公園から立法会(議会)まで行進した。

条例改正に反対するデモは4回目。中心部の道路が数時間にわたって大勢の人で埋め尽くされた。前回9日は主催者発表で103万人(警察発表は24万人)が参加し、政府は条例の改正延期に追い込まれた。今回、市民は完全撤回を求めて反発を強め、前週を上回る規模のデモとなった。計算上、香港市民の4人に1人以上が参加したことになる。警察発表では33万8000人だった。

主催者団体は16日夜の声明で、改めて条例改正の撤回や行政長官の辞任を求めた。要求が聞き入れられない場合、17日に大規模なストライキに踏み切ると宣言した。

林鄭氏は15日の記者会見で改正案の審議を期限を定めずに延期し、年内の審議入りも難しいとの認識を示した。一方で、現在の立法会議員の任期中に審議を再開するかどうかは明言を避けた。立法会は親中国派が多数を握り、民主派は「いずれ改正に踏み切るのではないか」と疑っている。

民主派は「逃亡犯条例」の改正延期では満足せず、再び大規模なデモが起きた(16日、香港)=三村幸作撮影

民主派は「逃亡犯条例」の改正延期では満足せず、再び大規模なデモが起きた(16日、香港)=三村幸作撮影

政府が12日に起きた学生らの道路占拠を「暴動」と呼び、催涙弾を使った強制排除で多数のけが人が出たことにも批判が集まっている。16日のデモに参加したケリーさん(24)は「行政長官は警察の行為が行き過ぎだと認めず、とても失望した」と話した。会社員の鄧さん(23)は「政府が聞く耳を持たない時こそ、意見を表明するのが重要だ」と力を込めた。

デモでは15日に大型モールの足場で政府に抗議中に転落死した男性を悼む声も広がった。多くの人が弔意を示す白いリボンを付け、転落現場に花を供えた。

林鄭氏が改正延期を発表した後、経済界や欧米は決断を支持した。地元経済団体の香港総商会は「政府の決定を歓迎する。落ち着いて理性的な議論に戻れるようになる」との声明を出した。

条例改正に一貫して反対してきた在香港米国商工会議所は「香港が一国二制度のもとで特別な地位を真剣に守ろうとしているというシグナルを国際社会に送った」と評価した。英国のハント外相もツイッターで「人権擁護のために立ち上がった勇敢な人々の懸念に留意した」と歓迎した。

その一方で市民の反発は強まっている。香港の政治リスクコンサルタントのスティーブ・ビッカーズ氏は「一般人と警察の間の信頼関係が損なわれており、修復には時間がかかる」と指摘する。

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