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中央競馬156頭競走除外 検査システムの信頼性に影

2019/6/15 20:14
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中央競馬の競走馬に与えられる飼料添加物「グリーンカル」から禁止薬物のテオブロミンが検出され、開催中の東京、阪神、函館3場で2日間に計156頭が一括で競走除外とされた問題は、現在の競馬の薬物検査システムの信頼性に深刻な影を落としたと言える。

禁止薬物を含む飼料添加物を摂取した可能性のある馬がいることによる「競走除外」を知らせる張り紙(15日、東京都府中市の東京競馬場)=共同

禁止薬物を含む飼料添加物を摂取した可能性のある馬がいることによる「競走除外」を知らせる張り紙(15日、東京都府中市の東京競馬場)=共同

今回の件は、15、16両日の出走馬が確定済みの14日午後、添加物の発売元の日本農産工業から、販売先の各厩舎に、薬物が検出されたため回収したいとの申し出があって表面化した。競走馬の口に入る飼料やサプリメントは、検査済みでないと販売できない。検査は、「ロット」と呼ばれる単位で、製造のたびに競走馬理化学研究所での検査に付されるが、今回は昨年暮れから今年5月にかけて製造された製品が、未検査のまま4つの卸業者経由で流通。業者側は4月になって、今回のロットの検査を依頼した。卸業者も検査済みかを確認していなかった。

競走除外された156頭には、問題の添加物を口にしていない馬もいたが、全頭検査を行う時間的余裕がなく、一括除外の異常事態となった。

検査に付すのが遅れた経緯は調査中だが、中央競馬では2014年12月にも、業者側の検査時の錯誤で、カフェインの混入した飼料添加物を口にした馬が1位入線後に失格とされた。結果的に厩舎側に過失はなく、日本中央競馬会(JRA)は後に、馬主側に1着賞金相当額を弁償した。今回の件と同一視はできないものの、検査体制に疑問を抱かせるに十分だ。

問題の製品は広く使用されており、口にした馬がレースで入着した可能性が高いが、事後の薬物検査でも陽性反応は1件もなかった。日本農産工業はホームページで「原材料に使用していない」と説明しており、製造過程で何らかの理由で混入したが、微量だった可能性がある。近年、今回のような添加剤、サプリメントは厩舎内外で広く使用されている。検査体制は現状に追いついているか。競馬への信頼が大きく損なわれる前に、危機感を持って再点検する必要がある。(野元賢一)

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