上田氏「県政でやり残したことはない」 会見一問一答
埼玉県の上田清司知事の記者会見での主なやり取りは次の通り。
「任期満了をもって知事の仕事を終了したい。不出馬の理由は改革の成果と方向性がきちっと出てきていること。改革の流れは誰がやろうと一定の方向は決まっている。令和の時代にふさわしい方に新たなる埼玉の時代を担っていただくのがいい」
――決断した時期はいつですか。
「2カ月くらい前。ちょうど新天皇の即位式に出る機会をいただいた。新しい時代が始まる、このあたりが決める大部分になった」
――16年間の県政運営の成果は何ですか。
「埼玉県庁にぶら下がっている出資法人は全部赤字だった。例えば、埼玉高速鉄道。今は黒字を出している。スーパーアリーナや浦和競馬もそうだ。成果を追いかける経営体としての改革が県庁でできている」
「埼玉から国を変えると言ってきた。最近では国からも埼玉県の(事業の)先進性やモデル性を評価してもらっている。埼玉県は人口増で放っておいても経済は強くなる。納税率などは全国最下位クラスから改善した。まさに改革の成果と方向性が確たるものになっていると信じている。どなたが知事になってもこの方向性を職員は崩さないと思っている」
――やり残したことはありますか。
「任期は決まっているので、もともと1期1期を終了としていた。県政的には何かやり残したというのはない」
――任期後の政治活動はどうしますか。
「一休みでしょうね」
――政界引退ですか。
「なかなかさせてくれないような雰囲気だ。新聞は政治面から見ていく。17歳から志しているので『はい、さよなら』というわけにはいかないだろう」
――参院選への出馬意欲はありますか。
「今の時点では一休みだ。あまり考えない方がいいのでは」
――知事選の候補者についてどう考えますか。
「大野元裕氏は研究者という側面も持ち、経営者の側面も持つマルチ人間だ。自治体は行政体というよりは経営体だと思っている。経営能力の高いセンスを持った人がいい。そういう点では大野さんに期待している」
――大野氏を後継とするのですか。
「選挙がある。有権者が決める話だ。後継という言葉は近代選挙のなかではなじまない言葉だ」
――多選自粛条例に反して4選したことで、自民党県議団とは激しく対立してきました。
「議案を反対されたことは1回もない。ただ決議の数は多い。どうでもいい決議もあるが、中身によっては引き締まる部分もないわけじゃない。皆さんが思っているほど対立しているとは思っていない」
――多選の弊害について自身が感じることは。
「自分で自分の評価はしにくい。多面的に人を見る努力はしているが、違うリーダーだったら違う人材を登用する可能性はあるだろう」