トランプ氏「イランと対話急がず」 挑発に対抗の構え
ホルムズ海峡封鎖しても「長続きしない」
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【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は14日のFOXニュースのインタビューで、イランが中東の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する可能性について「(実行しても)長続きしないだろう」と語った。原油価格の高騰につながりかねない挑発行為に対抗する考えを示した。イランとの対話も「当面は急がない」と説明した。
トランプ氏は13日にホルムズ海峡付近で起きた石油タンカー2隻に対する攻撃にイランが関与したと主張した。精鋭部隊のイラン革命防衛隊が攻撃後にタンカーから不発の機雷を除去しているとする映像について「彼らは証拠を残したくなかった」と指摘した。
除去は夜間に行われたとして「我々が暗闇のなかでも行動をうまく見破れるとイランは考えなかっただろう」と述べた。イランは関与を否定している。
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シャナハン国防長官代行は14日、記者団に「情勢が悪化すれば危機管理計画を作成する必要がある」と語り、ホルムズ海峡周辺の情勢を注視する考えを示した。一方、イランが関与した証拠を国際社会に示し「(イランの脅威が高まったという)国際情勢の認識について支持を広げていくべきだ」とも述べた。
シャナハン氏はイランの関与を客観的に証明すれば各国がイランを批判せざるを得ないとみる。米国は2018年5月にイラン核合意を一方的に破棄し国際社会から批判を浴びていたが、タンカー攻撃をきっかけに巻き返しを狙う。ただ中国やロシアが米国に同調する可能性は現時点で低い。