WHO、エボラ熱の緊急事態宣言見送り

2019/6/15 4:00
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【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)は14日、アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール)で感染が広がっているエボラ出血熱について緊急委員会を開き、国際的な緊急事態には該当しないと結論付けた。深く懸念される状況にはなっているものの、宣言するのに必要な基準をまだ満たしていないと判断した。WHOは引き続き感染状況を注視していく考えだ。

コンゴの国境付近で体温のチェックを受ける人たち=AP

スイス・ジュネーブで同日開いた専門家による緊急委員会で決めた。「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」に当たるかどうかを協議した結果、現時点では感染はコンゴと周辺地域にとどまっているなどとの理由で宣言を見送った。ただ、感染拡大のリスクはあるとして、今後も渡航や貿易制限の必要性などを慎重に見極める方針だ。

コンゴから電話会見したWHOのテドロス事務局長は「集団感染そのものは緊急事態だと強調したい」と述べ、被害拡大の防止へ資金援助など国際社会に協力を求めた。

WHOによると、コンゴ政府が2018年8月にエボラ熱の流行を宣言して以来、死者は1400人に達し、感染かその疑いのある患者も2000人を超えている。今月に入ってからは隣国ウガンダでも感染者が出た。エボラ熱を巡っては西アフリカ諸国で13年末から16年にかけて1万1千人以上が死亡しており、今回は史上2番目に大きい流行となっている。

コンゴでは鉱物資源を巡る武力衝突の影響で病院や医療従事者が襲撃されるケースが頻発し、十分な治療や予防活動ができていない。WHOは18年10月と19年4月にも緊急委員会を開いた。

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