首相、タンカー攻撃「断固非難」 日米首脳が電話
トランプ氏、イラン訪問に謝意
安倍晋三首相は14日夜、トランプ米大統領と約30分間電話した。トランプ氏は首相のイラン訪問について謝意を伝えた。中東ホルムズ海峡近くで日本などのタンカー2隻が攻撃を受けた事件に関して話し合った。首相は協議後、「いかなる者が攻撃したにせよ、船舶を危険にさらす行動に日本として断固非難する」と強調した。

両首脳は中東地域の安定へ日米で連携する方針を申し合わせた。首相は「すべての関係国が緊張を高める行為は厳に慎むべきだ」と訴えた。「地域の平和と安定、世界の繁栄のために今後とも国際社会と緊密に連携しながら努力を重ねたい」と述べた。
首相は12~14日にイランを訪れ、最高指導者ハメネイ師やロウハニ大統領と会談した。「軍事衝突は誰も望んでおらず、現在の緊張の高まりを懸念している」として米国との対話を促した。ハメネイ師は「核兵器の製造も保有も使用もしない。その意図はないし、すべきではない」と語った。
トランプ氏はイランとの話し合いに消極的だ。13日にはツイッターで「個人的には(イランと)取引するのは時期尚早だ」と記した。
タンカー攻撃を巡ってポンペオ米国務長官は記者会見で「イランに責任がある」と語った。収集した情報や使用された武器を総合的に検証した結果と説明した。日本政府は証拠を示すよう米政府に求めた。イランは事件の関与を否定している。
電話協議に先立ち首相は都内の会合で、イラン訪問について「緊張緩和に向けてできる限りのことをしたいとの思いで訪問した」と説明した。「様々な困難が伴うが、絶対に武力衝突があってはならない」と強調した。