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香港政府、逃亡犯条例棚上げ論も デモで「審議困難」

香港では衝突後も抗議活動が続いている(13日)

【香港=木原雄士】香港で拘束した容疑者を中国本土に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案をめぐり、香港政府内に棚上げ論が浮上してきた。行政長官の諮問機関、行政会議トップの陳智思(バーナード・チャン)氏は14日、反対運動が激しさを増していることを踏まえ「このような状況で条例案の審議を続けるのは難しい」と述べ、政府に何らかの対応を検討するよう促した。

条例改正には民主派だけでなく経済界も慎重な姿勢を示している。12日にはデモ隊と警察が衝突して80人以上の負傷者が出た。陳氏は香港の公共放送RTHKのインタビューで「ビジネス界の反発を甘く見過ぎていた」と指摘した上で「いま一番やらなければいけないのは、衝突を避けるために人々の気持ちを落ち着かせることだ」と語った。

香港立法会(議会)は当初、12日に条例案の審議を再開して20日にも採決する段取りを描いていたが、衝突が起きた12日から3日続けて審議を見送った。14日には17、18日も審議を行わないとの方針をいったん示したが、その後、取り消した。中国政府と良好な関係で知られる陳氏が審議の継続に疑問を呈したことで、審議日程は一段と不透明になった。

民主派は16日にデモ行進を、17日に立法会周辺で集会を予定しており、再び大きな混乱が起きる可能性もある。別の行政会議メンバーの林正財氏は14日、条例改正が絶対に必要とはいえないとの見方を示した。陳氏らの発言は反対派をなだめるガス抜きとの観測も出ている。

英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は14日、香港政府は条例案の撤回ではなく、審議の一時中止などの選択肢を検討していると報じた。中国政府は反対デモの背景に外国勢力による干渉があったと断じ、条例改正を支持する立場を鮮明にしてきた。条例案の完全撤回は国際社会の圧力に屈した印象を与えかねない。

中国の楽玉成外務次官は14日、米国の駐中国臨時代理大使を呼び出し、香港の逃亡犯条例改正案を巡りトランプ米政権が「重大な懸念」を示していることを念頭に「強烈な不満と強い反対を表明する」と抗議した。

香港では2003年に国家分裂を図る政治活動を取り締まる「国家安全条例」に反対する大規模デモが発生し、政府が制定を断念したことがある。

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