2019年7月20日(土)

欧州議会 EU懐疑派の各国政党が新会派設立

ヨーロッパ
2019/6/14 17:58
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【ブリュッセル=竹内康雄】5月下旬の欧州議会選を受けて、各会派の動きが活発になってきた。極右政党などでつくる欧州連合(EU)懐疑派のグループは13日、新会派結成を発表し、選挙前からの議席数を2倍にした。移民・難民政策の強化やEU権限の縮小などの実現につなげる考えだ。一方、親EUの中道リベラル会派にはマクロン仏大統領らが属する党が正式に合流し、議会での影響力拡大を狙っている。

記者会見する国民連合のルペン党首(13日、ブリュッセル)=ロイター

「我々は国家主義者のグループとして欧州議会で最大の勢力になる」。13日記者会見した仏国民連合(RN)のルペン党首は高らかに宣言した。欧州議会選でフランスで第1党になったRNに加え、イタリアで第1党の「同盟」や、「ドイツのための選択肢(AfD)」など9カ国から議員が集まり、「アイデンティティーと民主主義(ID)」を立ち上げる。

もともとは「国家と自由の欧州」というグループで、選挙前は36議席だった。新会派は73となり、定数751の約10%を占める勢力になる。英国のEU離脱(ブレグジット)後は英国の一部議席が他国に割り振られるため、76議席に増えるという。その場合「緑の党」などでつくる環境会派「緑の党・欧州自由連合」を抜いて第4会派になると説明する。

IDが主張するのは、移民・難民の欧州への流入を大幅に制限するための制度変更や国境管理の強化だ。イスラム教徒への締め付けも厳しくする。国の権限がEUに奪われていると批判し、EUの権限を各国に戻すことも主張する。

ルペン氏は「必要に応じて他会派とも協力したい」と語った。念頭には英国の「ブレグジット党」やハンガリーの「フィデス・ハンガリー市民同盟」があるとみられる。穏健な勢力も含めると、EU懐疑派は約3割に達し、親EU派が一枚岩になれない場合はEUの政策決定に影響を及ぼす可能性がある。

欧州議会選では中道右派と中道左派の二大会派が支持を落とし、両派合わせての議席数が過半数を割った。既存政党への不満が噴出した形で、有権者の受け皿になったのはルペン氏らのEU懐疑派、環境会派、そして中道リベラル会派だ。

その中道リベラルの「欧州自由民主同盟(ALDE)」は13日、マクロン氏らの勢力が合流し、「欧州刷新」に会派名を変えると発表した。ALDEを率いるフェルホフスタット氏(元ベルギー首相)は声明で「我々はかつてないほどの力を持ち、(今後の)欧州を方向づける機会を得た」と訴えた。議席数は100を超え第3会派になる。

二大会派は議会の安定運営のため、親EU派の中道リベラル会派や環境会派と多数派形成に向けた協議を進めている。だが10月に任期が切れるユンケル欧州委員長の後任を誰にするかを巡って折り合いがついていない。キャスチングボートを握る形のマクロン氏らの会派が強硬な主張をしているとされる。

EUのトップは欧州委員長のほか、欧州中央銀行(ECB)総裁、EU大統領も今秋に任期を迎える。人事を決める節目となる6月20、21日のEU首脳会議に向けて、各国首脳や議会関係者の議論は激しさを増している。

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