2019年7月22日(月)

緊急事態のBCP策定、企業の15%どまり 民間調査

2019/6/14 16:56
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災害や事故など緊急事態の発生時にどう対処すべきかを定める「事業継続計画(BCP)」を策定している企業の割合が2018年比で0.3ポイント増の15%にとどまることが、民間信用調査会社の帝国データバンクの調べで分かった。自然災害をはじめとするリスクは近年高まっている。帝国データは「政府や行政機関は策定推進に向けて一層の取り組み支援を行う必要がある」と指摘した。

調査は全国2万3169社を対象に実施し、9555社から有効回答を得た。調査期間は5月20日から31日。BCPに関する調査は16年から暦年で実施しており、今回が4回目。

BCPの策定状況では「策定している」との回答は15%で、18年比で0.3ポイント増にとどまった。「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」と答えた企業を合わせても45.5%と半数に満たなかった。18年比で0.6ポイント増だった。18年は西日本豪雨や北海道地震など大規模な災害が相次いだが、甚大な被害が増えるなかでもBCPの策定状況に大きな変化は出ていなかった。

業界別に「策定している」と答えた企業の割合を見ると、最も高かったのが金融で42.5%だった。金融以外は2割を下回っており、最も低かった不動産では7.8%だった。企業の従業員数別に見ると、1000人超の企業では52.6%が策定していた。企業規模が小さくなるにつれ割合は減った。

「策定していない」と答えた企業に理由を複数回答で聞くと、「必要なスキル・ノウハウがない」(43.9%)、「人材を確保できない」(33.7%)、「書類作りでおわってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(27.9%)と続いた。「重要性を感じているが、時間や人材が確保できない」(山梨県の塗装工事業)などの声があった。

一方、策定していない企業の24%はBCP策定の「必要性を感じない」と答えた。「少人数の会社であるため、各人と容易に連絡がとれ、事後対応でできる部分が多い」(北海道の冷暖房設備工事業)との声も上がった。

「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」と答えた企業の割合を都道府県別に見ると、高知県が72.5%で最も高かった。和歌山、徳島、愛媛、静岡の各県など、南海トラフ地震で大きな被害が想定される地域で高くなる傾向があった。

「策定している」と答えた企業に策定した効果を複数回答で聞くと、「従業員のリスクに対する意識が向上した」(59.3%)、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」「事業の優先順位が明確になった」と続き、平時の業務にも一定のプラスの影響があることをうかがわせた。

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