2019年8月20日(火)

偽動画対策、SNS企業に協力要請 米議会が公聴会

2019/6/14 4:39
保存
共有
印刷
その他

AIを使った偽動画「ディープフェイク」に関する公聴会を開いた下院情報特別委員会のシフ委員長=ロイター

AIを使った偽動画「ディープフェイク」に関する公聴会を開いた下院情報特別委員会のシフ委員長=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】米下院情報特別委員会は13日、人工知能(AI)を使った巧妙な偽動画「ディープフェイク」の脅威と対策に関する公聴会を開いた。識者らは証言で、ディープフェイクが選挙や企業活動、外交にも影響を与えかねないと警告した。SNS(交流サイト)企業に対策での協力を呼び掛けた。

ディープフェイクは、著名人の映像や音声データをAIに学習させ、本物そっくりの偽動画を作成する技術だ。同委員会のシフ委員長(民主党)は「政府、メディア、国民も何が本物で何が偽物か識別できない悪夢のような状況になりかねない」と懸念を示し、2020年の大統領選が影響を受ける前に、SNS企業が何らかの対策を取るよう要請した。

メリーランド大法科大学院のシトロン教授は書面証言で、例えば企業の新規株式公開(IPO)前夜に経営者が罪を犯しているようにみせる偽動画が拡散されたり、大統領選の投開票日の前日に候補者に不利な偽動画が流れたりすれば、取り返しのつかない事態を招くと指摘した。外交政策研究所のワッツ研究員は、ロシアや中国がAIを使った情報戦をしかける可能性を警告した。

証言した識者らはいずれも、ディープフェイクの拡散に対抗するには迅速な対応が必要だと強調した。投稿映像の公開を短時間遅らせて検証するシステムの導入や、悪質な偽映像を故意に拡散した企業への制裁強化といった対策を提案した。選挙陣営にも偽映像を拡散しない誓約をし、SNS企業と協力するなどの取り組みを促した。

一部の議員からは、言論の自由を守る観点から規制に慎重な声もあった。米国では先月末に民主党のペロシ下院議長の講演を、ろれつが回っていないように加工した動画が拡散して問題となったほか、フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)のディープフェイク動画も話題となっている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。