豪の州政府、インド企業の炭鉱開発 ようやく承認

2019/6/13 15:30
保存
共有
印刷
その他

【シドニー=松本史】オーストラリアのクイーンズランド(QLD)州政府は13日、インドの複合企業アダニ・グループが所有するカーマイケル炭鉱に関連し、周辺の地下水の管理計画案を認めたと発表した。アダニは2017年6月に同炭鉱の開発を正式決定したが、州政府から野鳥保護などの環境対策が不十分だとして、開発の開始が遅れていた。今回、州政府からようやく環境対策を含めた計画が承認された。アダニは近く炭鉱開発に着手する。

アダニの炭鉱開発予定地(クイーンズランド州)=アダニ豪州法人提供

カーマイケル炭鉱は発電用石炭(一般炭)を生産し、アダニは大半を電力需要が急増するインドに輸出する計画だ。アダニ豪州法人のルーカス・ドウ最高経営責任者(CEO)は、今回の州政府の決定について「炭鉱開発開始への道を確かなものとし、QLD州民が必要としていた雇用をもたらす」と歓迎するコメントを発表した。

アダニの同炭鉱開発を巡っては、16年に計画を承認したQLD州政府が17年後半から、同社に対して細かな環境保護計画の策定を求め始めた。同州は国政では野党の労働党が政権を握り、同年11月にあった州議会選挙を前に、地球温暖化問題に敏感な有権者への配慮があったとされる。

アダニ豪州法人によると、野鳥の保護計画は7回、地下水の管理計画は11回修正した後に承認された。こうした州政府の対応は開発開始の遅れを招き「雇用がもたらされない」と、労働党の支持基盤である労働組合の猛反発を招いた。19年5月の総選挙で事前予想を覆し労働党が敗北する一因ともなったとみられる。

州政府は、総選挙後の5月末に野鳥保護計画を承認した。アダニ豪州法人によると、カーマイケル炭鉱開発は、地域に8千人以上の雇用をもたらす見通し。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]