2019年9月23日(月)

米セキュリティー対策の「ユニコーン」上場、初値は好調

2019/6/13 3:34 (2019/6/13 7:46更新)
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【ニューヨーク=宮本岳則】セキュリティー対策サービスを手がける米クラウドストライクが12日、米ナスダック証券取引所に上場した。初値は63ドル50セントとなり、公募・売り出し価格(公開価格)を9割上回った。世界中でサイバー攻撃の脅威が広がり、投資家の成長期待は高い。未上場の急成長企業「ユニコーン」の新規株式公開(IPO)が明暗を分けるなか、同社は好調な滑り出しとなった。

クラウドストライクのジョージ・カーツ最高経営責任者(CEO)=ロイター

クラウドストライクは2011年設立の新興企業で、米カリフォルニア州に本拠を置く。人工知能(AI)とクラウドサービスを活用し、サイバー攻撃に対処する技術や製品を提供する。創業者のジョージ・カーツ最高経営責任者(CEO)は米セキュリティー大手マカフィー幹部を経て同社を立ち上げた。米大統領選前の16年4月、米民主党中央委員会に対するロシア系グループのサイバー攻撃を発見し、一躍有名になった。

12日の終値は58ドルとなり、公開価格34ドルを71%上回った。時価総額は114億ドル(約1兆2300億円)。今回のIPOで6億1200万ドルの調達に成功した。カーツCEOは日本経済新聞の取材に応じ、調達資金の使い道について「日本を含む海外事業の拡大や研究・開発の強化などに使いたい」と述べた。

クラウドストライクは18年1月に東京に日本法人を設立した。カーツCEOは「日本企業にとって大きな不安は、中国からのサイバー攻撃」と指摘。特に規模の大きい製造業では「(身代金要求型ウイルスの)ランサムウエアに感染し、生産ラインが止まったり、出荷ができなくなったりすることを懸念している」という。事業機会の拡大が見込まれ、カーツCEOは「日本法人の人員を増やす」と明かした。

売り上げは急拡大している。19年1月期の売上高は2億4982万ドル(約270億円)となり、前の期に比べて約2倍に増えた。政府や大企業を中心にセキュリティー対策サービスの需要が伸びた。ただし最終損益は1億4007万ドルの赤字となり、前の期は(1億3549万ドルの赤字)に比べて悪化した。成長に向けた先行投資が収益を圧迫している。

上場前の企業評価額が10億ドルを超える「ユニコーン」のIPOが相次いでいる。19年は当たり年とされているが、投資家は収益性などで選別色を強めている。IPO銘柄の中で時価総額が最大のライドシェア最大手、米ウーバーテクノロジーズは12日時点で終値が公開価格を下回っていた。一方、ビデオ会議システムの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの株価は公開価格の約2.7倍に膨らんだ。

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