2019年9月23日(月)

マハティール首相の側近閣僚に醜聞 マレーシア

2019/6/12 18:16
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのマハティール首相の側近として知られるアズミン・アリ経済相に醜聞が持ち上がっている。アズミン氏と外見が似る人物が同性愛行為にふける映像が拡散され、政治家秘書の男性が12日、「映像の男性2人は自分とアズミン氏だ」とSNS(交流サイト)で告発した。

アズミン・アリ経済相(左)とアンワル元副首相(中央)はマハティール首相の後継を争うライバルと目されている=AP

マハティール氏はアンワル元副首相に首相職を禅譲すると繰り返し公言しているが、主要閣僚のアズミン氏にも後継の芽を残しているとの臆測が絶えない。今回の醜聞はマハティール氏の後継を巡って、与党連合内で激しい暗闘が繰り広げられていることを物語る。

醜聞の発端は11日に、2人の男性による同性愛行為のビデオ映像がSNSを通じて、多数の記者らに送られたことだ。12日には政治家秘書の男性が拡散した映像は5月中旬のアズミン氏との同性愛行為を隠し撮りされたものだと主張し、「アズミン氏はリーダーにふさわしくない」と訴えた。

アズミン氏は12日、「今回の映像拡散は私の政治生命を破壊しようとする悪辣な陰謀だ」との声明を発表。「断固としてこの悪質な中傷を否定する」とし、告発者に法的措置を取ると強調した。

今回の醜聞騒動が注目を集めるのは、マハティール首相の後継レースに影響を与えるためだ。93歳と高齢のマハティール氏は2018年5月の首相復帰時から、アンワル氏への禅譲を公言し、与党連合内でも禅譲は合意事項となっている。

ただ、マハティール氏には1998年に「同性愛者を指導者にはできない」として、当時副首相だったアンワル氏を解任した過去がある。イスラム教が国教の同国で同性愛行為は違法で、アンワル氏は15年、「同性愛行為」をしたとして禁錮5年の有罪判決を受けた。

かつてアンワル氏を同性愛者と糾弾したマハティール氏が、アズミン氏をどう処遇するかに注目が集まる。

今回の映像拡散の背景は明らかになっていないものの、アズミン氏の追い落としを狙った政治勢力によるものとの見方が強い。告発を受けて捜査当局がどう対応するかが当面の焦点となる。

マハティール氏とアンワル氏は現在は共闘関係を強調するものの、過去の経緯からマハティール氏の禅譲の約束を額面通りに取らない政界関係者は多い。そんな中で、かつてアンワル氏の秘書だったこともあるアズミン氏は首相候補として急速に存在感を高めていた。

マハティール氏の対応次第ではアンワル氏に近い与党内勢力や野党連合からの反発が強まる可能性もあり、支持率が低下傾向にあるマハティール政権は新たな火種を抱えることとなった。

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