JR東海社長、国の調整に期待 リニア工事巡る静岡県との対立で
JR東海の金子慎社長は12日、名古屋市内で開いた記者会見で、リニア中央新幹線の工事を巡り静岡県と対立している問題で国の調整に期待を示した。「国土交通省を中心に計画が円滑に進むよう、なんらかの措置や指導をしていただければありがたい」と語った。未着工の静岡工区について「だんだん余裕がなくなり、取り戻すのが難しくなりつつある」と述べた。
静岡県の川勝平太知事が「自分の計画を押しつけるのは無礼千万」と発言したことに関しては「民間企業が営利目的で進めているのではなく、国としての大きな役割を担う事業だ」と理解を求めた。2027年の開業目標は「早期の開業に期待が大きく、一生懸命進めていきたい」と話した。川勝氏が言及したルート変更については「現実的ではない」と語った。
リニア開通後、東海道新幹線の各駅停車「こだま」や「ひかり」の増発余地があることに触れ「(停車駅の多い列車が増えれば)一番メリットがあるのは静岡県だ」とも強調した。東海道新幹線の17駅のうち、6駅が静岡県内に立地する。