2019年7月17日(水)

「公正な価格形成、広く議論」名古屋市の市場懇談会座長
(岐路に立つ卸売市場)

中部
2019/6/13 12:53
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自治体が運営する中央卸売市場は2020年6月の法改正で、制度上は民営化が可能になる。名古屋市の有識者懇談会で座長を務める関西大学会計専門職大学院の柴健次教授に課題を聞いた。

――有識者懇談会のテーマは。

「インターネット販売や、産地と大手の小売りの直接取引の広がりなどで卸売市場を回避しようとする流通の規模が大きくなっている。(有識者懇談会では)そのうえで中央卸売市場が担ってきた公平、公正な価格形成という機能を改めて幅広く議論していく」

――卸売市場法の改正で中央卸売市場の民営化が可能になります。

「国や自治体の財政が逼迫するなか、中央卸売市場に関わらず公共サービスの担い手が多様化している。官が担っていたものをNPOや民間が代わって引き受ける動きだ。様々な意見や考え方があるなかで、誰が市場を管理し、老朽化した施設を整備するのかは論点のひとつになる」

関西大の柴健次教授

関西大の柴健次教授

「経済学の観点から言えば、民営化は単純に社会コストの削減につながる。ただ(名古屋市の場合は)中央卸売市場の規模や実務上の問題を整理しない限り、本当に民営化がいいのかどうか結論は出せない。現場の意見にも耳を傾けたい」

――IT(情報技術)やPFI(民間資金を活用した社会資本整備)でコストを下げる地方の卸売市場もあります。

「有識者懇談会は5月にスタートしたばかり。PFIがコスト削減につながるとか、IT化で効率的に取引を増やすといった具体的な話をする段階にはまだない。あらゆる事例を参考にする」

――消費者により身近な市場になるには。

「東京都の豊洲市場を訪れたとき、仕入れてきた生鮮をその場で観光客に売っていておもしろいと感じた。一般の見学者向けに専用の通路も設けている。規模が比較的大きな横浜市など、これから他の卸売市場にも視察に出かけたい」

――有識者懇談会の議論がまとまる時期は。

「(市は年度内に議論をまとめる方向だが)この会議の特徴は、方向性を決めずにフリーに話し合うことにある。そのうえで市に対してこのような案があるのではないかと提示していく。最終的に私たちが何かを決めるわけではない」(聞き手は細田琢朗)

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