2019年6月21日(金)

トランプ氏側近の議会協力拒否、提訴で対抗 米民主党

トランプ政権
北米
2019/6/12 15:45
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【ワシントン=中村亮】米野党・民主党はトランプ米大統領の側近らによる議会証言などの拒否に対抗するため、提訴で法廷闘争に持ち込み、調査協力を強制することを目指す。ロシア疑惑などを巡って議会協力は不要だとする政権の主張を法廷で退ける狙いだ。民主党の主張が法廷で認められれば疑惑調査の進展につながる可能性がある。

米民主党のペロシ下院議長はトランプ氏の弾劾に慎重姿勢を崩さない(11日、ワシントン)=ロイター

「トランプ政権の責任追及をさらに進める」。ナドラー下院司法委員長(民主党)は11日の記者会見で力説した。下院は同日可決した決議で政権の元法律顧問マクガーン氏とバー司法長官を提訴する権限を司法委に与えた。下院では民主党が多数派を握る。

11日の決議には、議会が政権を提訴する場合に本会議での採決を不要にする仕組みも盛り込んだ。民主党が迅速に政権を訴えて疑惑調査を前進させる環境を整えた。

トランプ氏はロシア疑惑を巡って下院の調査に全面的に協力しない方針で、両氏も一部を除き政権の意向に従ってきた。民主党は議会協力を拒む政権の姿勢を法廷闘争で無効にして、疑惑調査を加速させたい考えだ。

一方、トランプ氏は民主党に徹底抗戦の構えだ。11日にはツイッターで民主党の追及を「大統領に対する嫌がらせだ」と批判。「完全無実」が証明されたはずのロシア疑惑の幕引きのメドが立たず不満を強めている。

民主党がまずターゲットにするのがマクガーン氏だ。ロシア疑惑の捜査を妨げたトランプ氏の疑惑行為を目の当たりにした人物だ。2017年に疑惑捜査を仕切ったモラー特別検察官を解任するよう働きかけを受け、コミー前米連邦捜査局(FBI)長官の解任を巡ってもトランプ氏から相談を受けていた。

民主党内では大統領弾劾の判断材料として、トランプ氏が捜査妨害をしたと認定するかが最大の争点になっている。マクガーン氏の議会証言が実現すれば、当時のトランプ氏の言動や意図を詳細に把握でき、客観的な判断が下せると期待する向きがある。

法廷闘争が取り沙汰される懸案はロシア疑惑だけではない。民主党はトランプ氏の資金取引を調べるため納税記録の開示を求めるが、ムニューシン財務長官は拒んでいる。ロス商務長官も20年の国勢調査をめぐり、与党・共和党が選挙で有利になるよう手法の変更を試みた疑いが浮上している。下院は政権内や共和党とのやり取りを記した資料の提出を求めたが応じていない。

民主党指導部には法廷闘争を通じて政権監視の強化をアピールし、党内からの弱腰批判をかわす思惑もある。党内の左派を中心に大統領弾劾を求める声が強まっているが、ペロシ下院議長は世論の賛同を得られないとして慎重だ。

ただ提訴が相次ぎ、法廷闘争が長引く事態になれば、トランプ政権と民主党の対立も長期化が避けられない。米債務上限の引き上げや北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の批准に向けた双方の協力の機運がしぼみ、米経済にも悪影響を及ぼす懸念もくすぶっている。

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