2019年7月21日(日)

「E3」、黒子も競う AMDがゲーム用半導体

ネット・IT
エレクトロニクス
北米
2019/6/12 12:49
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米ロサンゼルスで11日に始まったゲームの祭典「E3」。約200社のゲーム会社が新作をひっさげて一堂に会するのがイベントの目玉だが、実はゲームを支える黒子たちの戦いも熱を帯びている。リアルな映像表現を支える画像処理半導体(GPU)で、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が最先端の製造プロセスを用いた新製品を発表。王者の米エヌビディアに揺さぶりをかけようとしている。

最先端の製造プロセスを用いたゲーム用GPUを発表する、AMDのリサ・スーCEO(AMDが公開した動画より引用)

AMDは高性能なGPUでゲームファンの要望に応えられる点をアピールした(10日、米ロサンゼルス)


「最高のテクノロジーをすべてのゲーマーに届けるわ」。E3の開幕前日、AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は興奮気味に語った。回路線幅が7ナノ(ナノは10億分の1)メートルの先端製造プロセスを採用した業界初のGPU「Radeon5700」シリーズを7月7日に発売する。ロサンゼルス市内で開いた発表会ではエヌビディアのGPUよりも描画性能が高いと強調。ゲーム映像の輪郭をくっきりと表示させる新機能も紹介した。

パソコンでゲームを楽しむために後付けするGPUでは長らく、エヌビディアの1強体制が続いてきた。同社の世界シェアは約8割にのぼり、2割程度のAMDは「首位に大きく引き離された2位」の座に甘んじてきた。創業50周年の節目にエヌビディアにはない7ナノのGPUを出すことで、シェアを一気に引き上げる狙いだ。

これに対し、11日に取材会を開いたエヌビディアは「GPUの性能は製造プロセスが全てではない」(担当者)と指摘した。昨年9月から順次発売しているGPU「RTX」シリーズの優位性を強調。同製品はゲームの世界の光の屈折や反射を逐次再現する技術を搭載しており、「メトロ」や「シャドウ・オブ・ザ・トゥームレイダー」などのゲームをより現実に近い映像表現で楽しむことができるという。

AMDの発表を聞いた業界関係者からは「7ナノ品は今後の進化も含めて期待できる」「紹介された性能通りならば、実績のあるエヌビディアのほうが良い」といった声が上がった。実際にシェアがどこまで変動するかは未知数だが、両社の競争によってゲームを楽しむ環境がいっそう充実するのは間違いなさそうだ。(ロサンゼルス=佐藤浩実、川崎なつ美)

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