2019年8月26日(月)

既存ホテル争奪戦 OYO対H Hotelチェーン

36Kr
アジアBiz
コラム(テクノロジー)
2019/6/13 8:26
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既存の小規模ホテルをフランチャイズ化する手法は、今年のベンチャー界のホットトピックになるはずだ。

圧倒的なスピードで中国での事業展開をすすめるOYOホテルズ

圧倒的なスピードで中国での事業展開をすすめるOYOホテルズ

5月30日、中国最大のホテルチェーン「華住酒店集団(Huazhu Hotels Group)」傘下の「H連鎖酒店(H Hotel)」とインド発の格安ホテルチェーン「OYOホテルズ」が、成都市でそれぞれメディア向け発表会を開催した。

既存ホテルのフランチャイズ化ビジネスにH連鎖酒店が参入を表明、すでにこのフランチャイズ化を展開していたOYOと正面対決する構図になった。

注目を集めるこの2社は、ホテル業界の構造的転換における2つの流れをそのまま反映している。

OYOとH Hotelがメディア発表を行った成都市の景観(図虫提供)

OYOとH Hotelがメディア発表を行った成都市の景観(図虫提供)

まず両社に共通するのは、既存の小規模ホテルをフランチャイズ化して取り込んでいることだ。2017年のデータによると、中国のホテル客室総数1677万室のうち、ホテルチェーンはわずか19.08%の320万室にとどまるという。この比率は米国の70%や欧州の40%と比べてもかなり低く、中国市場には巨大な成長の見込みがあることを示している。

フランチャイズ化を進める利点は、標準化してサプライチェーンにおける価格交渉を優位に行い、成熟した管理システムとノウハウを導入し、マージナルコストを削減できることだ。

しかし出店計画とスピードに関して両社は極めて対照的だ。ここに理念の違いが明確に表れている。

2019年2月に設立されたH連鎖酒店は、新一級都市から三級都市にある小規模ホテルのフランチャイズ化に力を入れる。公式発表によると、設立から100日で80都市にあるホテル500店との契約に至ったという。2019年末までに3500店、2022年末までに2万店との契約を目指す。

中国都市部の宿泊施設の内装イメージ写真(図虫提供)

中国都市部の宿泊施設の内装イメージ写真(図虫提供)

一方OYOは「大規模展開」と「スピード」が勝負の鍵を握ると繰り返し強調してきた。中国市場に進出してわずか1年半の間に、全国300都市以上で1万店以上、50万室を展開するに至った。この驚異的な拡大をメディアは「OYOスピード」と評した。ローエンド市場、地方都市、若者のニーズにフォーカスした出店を進める。

OYOは、大規模経営することでマネジメント効率を上げ、コストの削減と利益の最大化を実現できるとしており、数の点では圧倒的優位に立つ。それに対してH連鎖酒店は、一定の売上高を加盟条件とするなど、提携するホテルを慎重に選びながら展開している。

OYOが伝統的なホテル業界に革命をもたらしたことは確かだが、業界トップの座を獲得できるか否かは今後の状況次第だ。興味深いことに、OYOとH連鎖酒店では方向性に大きな違いがある。

まず人員配置に関して、OYOが明らかにしたところでは、現在1人のエリアマネジャーが3~10店舗を担当しているが、将来的には1人で500店舗を受け持つこともあるという。H連鎖酒店の場合、現在は店長1人で1.35店舗を担当しており、今後は1人で1.5店舗を担当するよう最適化を目指すとのこと。

またH連鎖酒店は客室管理システムや予約システムなど複数の共通システムを導入している。これらは全て親会社である華住集団が15年をかけて完成させたものだ。一方OYOのシステムは、従業員から使いにくいと不評を買っているうえ、データ入力の際にごまかしや不備が多数みられる。しかしOYOはスマートロックシステムのテストを開始しており、スマートロックとモバイル端末によるチェックインを進めることで、データ問題の解決を図ろうとしている。

出店スピードに関しては、上述の通り驚異的な拡大を進めるOYOと着実な成長を目指すH連鎖酒店とで、明らかな対照をなしている。

小規模ホテルを取り込もうとライバル同士がますます激しく火花を散らす中、重要になってくるのは、小規模ホテルとの契約を取り付けるプロモーション力、加盟管理やサービス品質を含むホテル運営能力、そしてシステム運用力の3つだろう。

対照的な2社の真っ向勝負、今後の動向からも目が離せない。

「36Kr ジャパン」のサイトはこちら(https://36kr.jp/)

中国語原文はこちら(https://36kr.com/p/5210804)

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