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天然ゴム1年5カ月ぶり高値 東南アジアで減産懸念
エルニーニョ響く 生産国の輸出削減も奏功

2019/6/12 11:30
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主産地の東南アジアではエルニーニョ現象の影響に伴う供給減に懸念も(写真はインドネシア)=ロイター

主産地の東南アジアではエルニーニョ現象の影響に伴う供給減に懸念も(写真はインドネシア)=ロイター

自動車タイヤに使う天然ゴムの価格が急上昇している。タイなど東南アジア産地でエルニーニョ現象の影響とみられる高温・少雨が続き、現地の現物価格が高騰。生産回復も鈍いとの懸念から、東京商品取引所の先物相場は約1年5カ月ぶりの高値をつけた。中国の自動車タイヤ需要への不透明感はくすぶるが、高値が続けばタイヤメーカーの収益を圧迫しそうだ。

国際指標の1つである東商取の先物(RSS)は、取引量が多い期先で7日に1キロ206.4円と2018年1月下旬以来の高値をつけた。年初比では17%高い。121日も204.9円で取引を終えるなど高値が続く。

現物の需給が引き締まっている場合、先物相場は決済時期の近い期近が期先に対して割高になる「逆ざや」になりやすい。7日の期近(6月物)は226.0円と期先より19.6円高かった。

実際、天然ゴムの世界生産の7割を占める東南アジア産地での供給減懸念は強い。タイやインドネシア、ベトナムなどでは、エルニーニョ現象の影響とみられる高温・少雨に見舞われた。

例年2~4月は乾期に伴う乾燥でゴムの木は落葉し、樹液の出が悪くなる。だが今年は年初に台風や津波被害が相次いだことも重なり、減産規模が大きかったもようだ。

天然ゴム生産国連合(ANRPC)が5月下旬に公表した19年1~3月の世界生産量は前年同期より5%少ない299万トン。同じ時期の世界消費量(同0.4%減の338万トン)を下回った。

例年増産期となる5月に入っても生産の回復は鈍かった。ゴム専門商社、加藤事務所(東京・中央)の加藤進一社長は「ベトナムでは6月になるまで樹液が取れない時期が続いた」と話す。

需給が逼迫し、タイの現物相場(RSS)は先物相場よりも値上がり幅が大きい。現在1キロ60バーツ(約210円)前後と年初より24%高い。

先物高は世界生産の6割を占めるタイ、インドネシア、マレーシア3カ国による輸出削減の効果も映している。3カ国は4月から市況てこ入れを狙って輸出を削減。世界需要の4割を占める中国の上海期貨交易所の指定倉庫在庫は6日時点で約42万3千トンと、前年同期比で13%少ない。

ただ、今後の相場の上昇幅は限られるとの見方が優勢だ。最大需要国である中国の需要不安がくすぶっているためだ。同国の新車販売は4月までに10カ月連続で前年実績を下回った。同国の1~4月の天然ゴム輸入量も65万トンと前年同期比で1割少なかった。新車販売の減速が続けばタイヤ需要が減るのは確実だ。

天候不安に伴う現物不足も市場は材料として織り込みつつある。サンワード貿易の松永英嗣氏は「米中対立の激化で市場全体のリスクオフの姿勢は続く。1キロ210円程度が当面の上値ではないか」と指摘する。

タイヤに使う合成ゴムの原料となるブタジエン価格も上昇している。アジア市場の取引価格は1トン1000~1050ドル程度。5月初めの直近安値に比べ1割強高い。韓国のプラント停止で供給が細った所に天然ゴム相場の上昇が重なり、つられる形で値上がりしている。

中国の新車販売台数の前年割れを映し、ブタジエン価格は昨年秋以降、下落基調に。5月には一時2年ぶりに900ドルを割り込んだ。

ブリヂストンは8月から国内市販用タイヤの出荷価格を値上げする。物流費の高騰が理由で「原料高は影響していない」(同社)。ただ今後も原料高が続けば製造コストがかさみ、収益を圧迫しそうだ。

(桝田大暉、三輪恭久)

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