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携帯料金 秋に一変 総務省ルール案、乗り換え容易に

携帯料金の総務省ルール案で引き下げがどこまで進むかが焦点になる(東京都内の家電量販店)

今年秋以後の携帯料金のルール案が11日、明らかになった。2年契約を途中でやめる際の違約金を1000円以下に抑えることなどが柱で、料金体系やビジネスモデルが大幅に変わる。通信会社による顧客の「囲い込み型」から、通信会社を変えやすい「乗り換え型」に移行を促すことで、料金の引き下げがどこまで進むかが焦点になる。

総務省が11日、携帯料金に関する有識者会議で省令の改正案を示した。次回の18日の会合でまとめて今秋に導入する。菅義偉官房長官は11日の記者会見で「通信と端末それぞれの市場で競争がより働くことを通じて、通信料金と端末料金の双方の価格が下がることを期待する」と述べた。

従来の携帯料金の仕組みは、端末を値引きする代わりに通信料金が高くなるのが一般的だ。通信各社は販売奨励金をつけて端末を安く大量に売り、長期契約で顧客を囲い込んで高めの通信料で稼ぐビジネスモデルだった。

こうした状況を政府は問題視し、菅氏が昨年8月に「4割程度下げる余地がある」と発言した。通信料金の高さを改善するため、まず通信料と端末の完全分離の義務付けで法改正を決めた。これを受けて通信各社が料金プランの変更に乗り出した。

ただNTTドコモが4月に発表したプランは4割値下げの対象が契約者の4割にとどまり、値下げ内容が不十分との指摘が出た。総務省はさらに値下げを後押しする第2弾の対策を打ち出した。

それが今回の新ルールで、目玉は途中解約の違約金を下げることだ。現在は2年契約の場合、大手3社で9500円と高く、通信会社が顧客を囲い込むことにつながっていた。総務省が示した案では、これを一気に1000円以下に下げる。

消費者にとっては違約金による乗り換えのハードルがほとんどなくなる。ある有識者会議の委員は「携帯会社は2年契約を積極的に提案しなくなるだろう」と話す。

新たなルールでは同じ通信会社を長く使っている利用者への優遇にも制限をかける。携帯市場が飽和に近づくなか、通信各社にとっては顧客を囲い込む戦略が成り立ちにくくなり、乗り換えを積極的に獲得するビジネスモデルが必要になる。

今後の焦点は実際に通信料や端末代金が下がるかだ。顧客を囲い込めず解約が増えると収益が不安定になり、通信料金の値下げに尻込みする企業が出てくる可能性もある。しかし楽天の参入を機に価格競争が激しくなるため、大手3社も対抗上、競争力のある低価格を打ち出す必要がある。

一方、端末代金は最新モデルで一時的に上がる可能性が高い。今回のルール変更では通信契約とセットで販売する端末の値引きを2万円までとすることを盛り込んだ。これまでの値引き原資は通信料の引き下げに回る。

端末価格の高さが目立てば、買い控えが広がる可能性がある。販売不振に陥らないように端末メーカーが卸価格を下げたり、手ごろな価格の商品の投入に動いたりする可能性がある。

最大の焦点は日本のスマートフォン市場で約5割のシェアを握る米アップルの動向だ。アップルが価格を約12万円に設定している「iPhoneXS」は、通信会社が値引き原資を出すことで6万円程度で買える例もある。値引きが2万円に制限されると、販売価格は約10万円になる。

政府は新しいルールのもとで端末価格も下がることを期待する。iPhoneの端末価格は原則、世界で同一水準とされており、日本で価格が下がるかは不透明だ。安い端末のシェアが高まる可能性もある。

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