ラグビーW杯誘客策分析、四経連が19年度事業計画

2019/6/11 19:32
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四国経済連合会は2019年度の事業計画を決め、観光振興を重点施策の一つに位置づけた。25年の万国博覧会(大阪・関西万博)を見据え、今秋に開催されるラグビーのワールドカップ(W杯)開催地や周辺地の誘客策を調査研究し、四国のインバウンド(訪日外国人)戦略を検討する。人口減への対抗策として交流人口の拡大などを通じて地域活性化を目指す。

四国経済連合会はインバウンドを含む交流人口の拡大に力を入れる(香川県直島町)

「観光事業はこれからの産業創出で大きなテーマだ」。四経連の佐伯勇人会長(四国電力社長)は10日の記者会見でこう強調した。四経連が見つめるのは25年の関西万博だ。地理的にも近く、万博のついでに四国へと足を運んでもらいやすいと期待を寄せる。

そのため、19年度の事業計画には全国12会場で今秋に開催するラグビーW杯の誘客策を調査研究することを盛り込んだ。他地域の取り組みを参考に、効果的な情報発信の方法などを検討する。四経連の幹部は「万博というチャンスがあるのだから、しっかりと四国を売り込む」と力を込める。

観光庁の統計によると、18年に四国4県に宿泊した外国人は計93万4110人泊(速報値)で、17年の確定値から11.3%増えた。増加を続けているものの、全国の外国人延べ宿泊者数に占める四国の割合はわずか1%ほど。四国内の空港の国際線は限られているだけに、関西国際空港を利用する観光客を呼び込むことを狙う。

交流人口の拡大に向け、四国遍路の世界遺産登録に向けた取り組みも強化する。四国の地銀4行の包括提携「四国アライアンス」と共同で、お遍路さん向けの宿泊施設の現状と課題を調査し、受け入れ態勢の充実に向けた提言を策定する。このほか、四国遍路の魅力を外国人に伝えるコンテンツ制作にも取り組む。

四国が観光振興を進めていく上で、「交通インフラの整備は不可欠」と佐伯会長は話す。四国は全国で唯一、新幹線の空白地帯となっており、引き続き四国新幹線の実現に向けた機運を高める。

四経連は現在、岡山を起点に瀬戸大橋を経由して四国4県の県庁所在地を結ぶルートを提案し、事業費は1兆5700億円と試算している。四国新幹線を求める仲間が多いほど実現の可能性は高まることから、岡山への波及効果に関する調査結果を近くまとめ、岡山側に国への要望活動などで協力を求めていく。

(辻征弥)

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