風力発電で製造の水素混合ガス 秋田・能代で供給実験
風力で発電した電力を使い製造した水素とガスを混合し、ガスコンロや給湯器に供給する実証実験が秋田県能代市で始まった。環境省の事業に採択され、NTTデータ経営研究所(東京・千代田)などで構成する共同事業者が11日、実験設備の開所式を開いた。再生可能エネルギーを活用することで水素の製造・輸送過程での低炭素化や水素の実用化を狙う。

大森建設(秋田県能代市)などが出資する風の松原自然エネルギー(同)が風力発電でおこした電力を使う。水を電気分解し水素を作る。

水素を熱量の高い県産天然ガスを模したガスと混合し、都市ガス「13A」規格に適合した水素混合ガスを製造。ガスコンロや給湯器、ファンヒーターといった市販のガス機器で利用し、将来の県産天然ガスの活用につなげる。
設備は水素を毎時2.5立方メートル製造でき、ガスに2~10%超混ぜて、燃焼度合いや、ガス機器の傷み具合などを検証する。
水素の製造・輸送段階の二酸化炭素(CO2)排出量を減らしつつ、水素の需要開拓を探る。
開所式でNTTデータ経営研究所の川島祐治社長は「全国の都市ガスでもこうした取り組みを広げていければ」と話した。水素の安全性を理解してもらうために市民を対象にした公開講座も開く予定だ。
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