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職場でのハラスメント禁止の条約制定へ、ILO総会開幕

10日にスイス・ジュネーブの国連欧州本部で始まったILOの年次総会

【ジュネーブ=細川倫太郎】国際労働機関(ILO)の年次総会が10日、スイス・ジュネーブで始まった。今年は職場でのセクハラや暴力を禁止する初めての国際条約を討議し、21日までの会期中に採択する見通しだ。日本は国内法との整合性などから、今回の条約への賛否も未定としている。

ILOは労働の国際基準を定める機関で、187カ国の政府や労働者・雇用者の代表が参加する。11日はフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相が演説する予定だ。条約の採択には3分の2の賛成が必要となる。条約は法的拘束力を持ち、批准するかどうかは各国の判断となっている。

新しい条約では職場のあらゆる暴力やハラスメントの防止を目指す。条約案では精神的、性的、経済的危害を引き起こす許容しがたい行為などと定義している。加害者や被害者は取引先など第三者も含まれる。ILOのライダー事務局長は総会の冒頭演説で「新しい条約を採択すれば、ハラスメント行為を撃退する手段になる」と述べ、採択の必要性を強調した。

ただ具体的な内容を巡っては各国の社会規範の違いなどから意見が分かれている。企業側が負う責任の範囲や、LGBT(性的少数者)の権利保護などは各国で意見が異なる。条約を制定すべきだとした委員会報告を採択した2018年の総会では、議論が紛糾する場面もあった。条約の制定自体は賛成が多く、今回の総会ではどこまで条約の内容を詰められるかが焦点になる。

職場でのハラスメントの防止は国際的に関心が高まっている。日本では5月下旬にパワーハラスメント(パワハラ)防止を義務付ける関連法が可決、成立した。これまで明確な定義がなかったパワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動」などと明記した。企業に相談窓口の設置など防止策を義務付ける。ただ、日本のハラスメントの規制は、世界各国に比べてなお遅れているとの声は多い。

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