英「合意なし」そろり準備 韓国などとFTA継続狙う

2019/6/10 22:30
保存
共有
印刷
その他

【ロンドン=中島裕介、ソウル=山田健一】英国が10月末に欧州連合(EU)から合意なく離脱した場合に備え、英の「自由貿易圏」を維持する動きをそろりと加速している。10日には、韓国と「合意なし」の場合に現行のEU・韓国の自由貿易協定(FTA)の内容をほぼ踏襲した協定を11月から発動することで合意した。ただ英国全体の貿易に占める割合はわずかで、同国の貿易の停滞を防ぐ突破口になるとはいえない。

10日、韓国の兪明希・通商交渉本部長(左)と英国のリアム・フォックス国際貿易相が両国の貿易条件について協議した(ソウル)

英韓両政府は10日、英国のEU離脱後も現在と同様の貿易条件を維持する、いわゆる「継続協定」に署名したと発表した。韓国産業通商資源省は、英国がEUから離脱した場合には、速やかに新たな韓英FTAの締結につなげるとした。

韓国にとって英国はEUで2番目に大きな貿易国だ。韓国は2018年に自動車と船舶を中心に63億5900万ドル(約6900億円)を輸出した。英国がEUから離脱すると、韓国が英国に輸出する自動車の関税が現在のゼロから10%に上がる恐れがあるが、今回の合意により関税ゼロが維持される見通しとなった。

韓国の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は「米中貿易戦争の激化などで韓国の輸出環境が悪化するなか、英国のEU離脱の不確実性を早期に遮断する意味がある」と説明した。兪氏は10日、ソウルで訪韓中の英国のフォックス国際貿易相と会談し、英国のEU離脱後の貿易条件について話し合った。

英国は10月末の離脱まではEU加盟国のため、EU域外の国と独自にFTAなどの通商協定は結べない。一方、合意なき離脱に備え、域外の国がEUと結んでいる協定を離脱直後から引き継ぐための協定は結べる。

英国はこれまでスイスやチリのほか、4月には貿易額の2%ほどを占めるノルウェーとも通商協定の継続で合意した。ただ英国の全貿易額のうち、FTAなどを通じて関税を引き下げているEU域外の国の割合は1割強にとどまる。しかも日本やトルコとは継続の合意に至っていない。一方で独仏などEU域内の貿易が約50%を占めており、EU域外との継続協定では貿易への悪影響の緩和は限られる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]