2019年7月16日(火)

「プレステの父」久多良木氏、スマートニュースに

ネット・IT
エレクトロニクス
2019/6/11 9:00
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ニュースアプリのスマートニュース(東京・渋谷)が家庭用ゲーム機「プレイステーション」の生みの親として知られる久多良木健氏らを取締役に起用した。同社は日本に加えて米国でもニュースアプリを提供し、直近の利用者は1年前の約5倍に増えたという。プレステを世界的な事業に育てた久多良木氏らの知見を活用し、海外事業の拡大を加速する。

久多良木氏を非常勤取締役に迎えたほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)の中国法人で最高経営責任者(CEO)を務めた任宜氏を取締役最高戦略責任者に起用した。また、米フェイスブックで「ニュースフィード」のインフラ開発責任者を務めたヨーリン・リー氏がエンジニアリング担当のバイスプレジデント(VP)に就任した。

スマートニュースは2012年にサービスを始め、現在は日米両国で事業を展開している。18年7月時点の月間利用者数は1000万超。国別の内訳は公開していないが、鈴木健CEOによると「米国事業の成長率が高い」という。経営体制を強化し、米国事業の拡大を急ぎたい意向だ。

米国では16年の大統領選を機に有権者がインターネットを通じて好みのニュースばかりに触れる「フィルターバブル」が顕在化した。フェイスブックなどはフェイク(偽)ニュースを拡散したと批判を浴び、結果としてニュースが社会の分断を招いているとの指摘も増えた。

スマートニュースは米大統領選に先立ち、利用者に勧めるニュースの政治的なバランスを保つ「ポリティカル・バランシング・アルゴリズム」を導入した。昨秋からは民主党、共和両党の支持者を想起させる利用者が自社のアプリを使う広告を流し、手応えを得たという。こうした流れを追い風としたい考えだ。

開発体制も強化する。東京と米サンフランシスコに加え、福岡、中国・上海、米カリフォルニア州パロアルト市にも拠点を開く。米西海岸に常駐するリー氏は既存のSNS(交流サイト)が社会の分断を招いたと批判を浴びたことを念頭に、「バランスのとれた質の高い情報を提供することを人材確保でも売り物にする」という。

日本のネット企業では、ユナイテッドがスマホ画面の着せ替えアプリ「ココッパ」で米国展開を目指し、フリーマーケットのメルカリなども米国の市場開拓を進めている。ただ、中国発の動画共有アプリ「ティックトック」などのような成功例は少ない。スマートニュースが「大物起用」で事業拡大に弾みをつけられるか注目を浴びそうだ。(編集委員 奥平和行)

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