2019年6月19日(水)

ふるさと納税「集めるのは悪いことか」(ルポ迫真)
ふるさと納税 宴の後(1)

経済
地域総合
2019/6/11 2:00
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日本経済新聞 電子版
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和歌山県北部の山上に広がる高野町。5月14日午後3時すぎ、町役場2階の町長室に職員が駆け込んできた。手にしていたのは「ふるさと納税に係る総務大臣の指定について」と記された5枚の紙。総務省から町への通知はなく、同省ホームページで公表されたばかりの報道資料を印刷したものだ。

「選ばれましたねえ」。町長の平野嘉也(51)は、ふるさと納税の新制度で町が除外されたことを確認すると、苦笑いを浮かべて一言。次第に眉間にしわを寄せ、地元和歌山2区選出の総務相、石田真敏(67)による「退場宣告」を読み込み始めた。

3分後、鬱憤がせきを切ったように、まくし立てた。「悪いことは一切していない。これではまるで無期懲役だ。決定には従わざるを得ないが、総務省こそ我々の施策を勉強すべきだ」

【次回記事】ふるさと納税 制度乱す自治体に容赦せず

ふるさと納税の対象外となった説明を受ける和歌山県高野町の平野町長(左)(5月14日)

ふるさと納税の対象外となった説明を受ける和歌山県高野町の平野町長(左)(5月14日)

総務省は同日、寄付集めが不適切だったとして高野町のほか、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、佐賀県みやき町の4市町について、新制度への参加を認めないと発表した。18年度に町予算の約5倍となる196億円を集めた高野町は「返礼率最大5割の旅行券」を使った寄付集めがルールを逸脱したと判断された。

【関連記事】ふるさと納税、泉佐野市など4市町除外を正式発表

高野町は得た原資で、1歳児から中学卒業までの保育・教育費を無償化。老朽化が著しい町立小中学校を統合し、2020年をメドに新たな校舎へと建て替える。

平野はいう。「ふるさと納税は交付金頼みだった自治体が…

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