2019年6月21日(金)
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田辺聖子さんが死去 作家、文化勲章

社会
2019/6/10 14:58 (2019/6/10 16:25更新)
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巧みな大阪弁を駆使して男女の機微を描いた小説で知られる作家で、文化勲章受章者の田辺聖子(たなべ・せいこ)さんが6月6日、胆管炎のため神戸市内の病院で死去した。91歳だった。告別式は近親者で行った。喪主は弟の聡(あきら)氏。お別れの会を行うが日取りなどは未定。

田辺聖子さん

大阪市出身。1947年樟蔭女子専門学校(現大阪樟蔭女子大)卒。7年間の会社勤めの間に同人誌に参加。メリヤス工場で働く女性を主人公とする「花狩」で雑誌の懸賞小説に入選し、58年に作家としてデビューした。ラジオドラマの脚本も手がけた。

64年に放送業界で働く女性シナリオライターの恋愛を描いた「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」で芥川賞を受賞。その後は「猫も杓子(しゃくし)も」といった大阪弁が印象的な恋愛小説で多くの読者を獲得した。

ほかの作品に俳人・杉田久女の生涯をつづった「花衣ぬぐやまつわる……」(女流文学賞)、俳人・小林一茶の人生を愛情を込めて描いた「ひねくれ一茶」(吉川英治文学賞)、大阪の川柳結社「番傘」を率いた岸本水府とその盟友たちを描いた「道頓堀の雨に別れて以来なり」(泉鏡花文学賞、読売文学賞)などがある。

古典文学にも造詣が深く、「源氏物語」など古典の翻訳・翻案も精力的に手掛けた。66年に結婚した医師の川野純夫氏(2002年死去)が登場するエッセー「カモカのおっちゃん」シリーズも人気を集めた。87年には平岩弓枝さんとともに女性として初めて直木賞の選考委員に就き、05年まで務めた。

00年に文化功労者、08年に文化勲章を受章。97年5月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。

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