熊谷6人殺害で二審初公判 弁護側、改めて無罪主張
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埼玉県熊谷市で2015年、男女6人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われ、一審・さいたま地裁の裁判員裁判で死刑判決を言い渡されたペルー人、ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(33)の控訴審初公判が10日、東京高裁(大熊一之裁判長)で開かれた。弁護側は「被告は事件当時、心神喪失状態だった」と改めて無罪を主張した。
弁護側の依頼で精神鑑定をした医師が出廷し「被告が事件前から統合失調症を発症していたのは間違いない」と一審同様に証言。「(何かを命令されるような)幻聴を聞いていてもおかしくない」とも述べた。検察側は控訴棄却を求めた。
責任能力の有無や程度が争点。一審判決は「金品入手のため妨げとなる住人を殺害した」と指摘した上で、妄想の影響は限定的とし完全責任能力を認めた。弁護人が控訴していた。
一審判決によると、15年9月14~16日、金品を奪う目的で住宅3軒に侵入し、田崎稔さん(55)、妻、美佐枝さん(53)、白石和代さん(84)、加藤美和子さん(41)と長女、美咲さん(10)、次女、春花さん(7)の6人(年齢はいずれも当時)を包丁で刺すなどして殺害した。〔共同〕