世界経済の下振れリスク注視 G20財務相会議開幕
麻生氏「米中摩擦、市場の信頼損なう」
日本が議長国を務める20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が8日、福岡市で開幕した。激化する米中貿易摩擦など、世界経済の下振れリスクを注視する必要があるとの認識で一致した。麻生太郎財務相は初日の討議で「米中貿易協議の帰結が不透明になったので、解決しないとさらに市場の信頼を損なう恐れがある」と懸念を表明した。

日本がG20議長国を務めるのは初めて。麻生氏は会議で「世界経済は様々な下方リスクを抱えながら年後半から来年にかけて堅調さが回復する見込みだ」との見通しを示した。日本からは日銀の黒田東彦総裁も出席。初日は「開発金融」と「世界経済」を議論した。9日にデジタル経済に対応した国際課税ルールや経常収支の不均衡問題などを討議し、共同声明を採択して閉幕する予定。
世界経済は2019年後半にかけて持ち直すとの基本認識を維持しつつ、各国からは米中貿易摩擦などが減速リスクになっているとの懸念が相次いだ。日本は対立が先鋭化しがちな2国間ではなく、多国間の枠組みで不均衡の解決に取り組むべきだなどと訴えていく。
9日はデジタル経済に対応する新たな国際法人課税のルールについて20年中の最終合意をめざすことを確認する。麻生氏は8日、記者団に「20年までの合意に向けて大きな政治的なモメンタムができあがった」と述べた。麻生氏は9日にムニューシン米財務長官と会談する見通し。
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