2019年7月21日(日)

米、対メキシコ関税見送り 不法移民対策で合意

トランプ政権
貿易摩擦
北米
中南米
2019/6/8 9:37 (2019/6/8 10:58更新)
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は7日、10日に予定していたメキシコからの全輸入品に対する5%の関税発動を「無期限」で見送ると発表した。メキシコが米国への不法移民流入を防ぐ対策を取ることで合意したという。発動すれば日本の自動車メーカーを含む北米経済圏に打撃となるため米議会や産業界が猛反対していた。

欧州歴訪から帰国したトランプ氏がツイッターで明らかにした。関税を取り下げる代わり、メキシコ政府が中米諸国から米国に向かう移民の流れを食いとめる「強力な措置」を取ると説明している。

トランプ氏の表明を受け、メキシコのロペスオブラドール大統領は「すべてのメキシコ国民の支援によって、米へ輸出するメキシコ産品への関税を回避することができた」とのコメントを発表した。

両国は、メキシコ南部のグアテマラとの国境付近への国家警備隊の配置、メキシコ国境を越えて米に不法入国して保護申請した移民はメキシコ側で待機させる制度の履行拡大などで合意した。

トランプ氏は5月30日、メキシコの不法移民対策が不十分だとして10日に5%の関税を課し、毎月段階的に引き上げて10月には最大25%とする計画を表明した。直後に与党・共和党内から反対論が噴出し、米産業界も一斉に取り下げを求めた。北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の批准にも支障が出かねないため、政権内からも異論があった。

メキシコのロペスオブラドール大統領は関税発動を食いとめるため、エブラルド外相ら閣僚を米ワシントンに送った。ペンス米副大統領ら米政権幹部を説得するため、7日まで断続的に協議をしていた。

米国のメキシコからの輸入は2018年で3465億ドル(約38兆円)。条件を満たせば無関税の恩恵を受けられるNAFTAを活用するため、トヨタ自動車日産自動車など多くの日本企業が進出する。関税発動の見送りでサプライチェーン(供給網)への悪影響はひとまず避けられる。

ただ今回の合意で目に見える成果が出なければ、トランプ氏が再び関税を持ち出す可能性は残っている。貧困や治安悪化にあえぐ中米諸国から米国に向かう人の流れを止めるのは簡単ではない。トランプ氏はメキシコ国境で壁の建設を強行するなど強硬策を打って有権者にアピールしており、今後も火種はくすぶり続けそうだ。

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