宇宙ステーションに民間人も飛行、NASAが開放
【ワシントン=鳳山太成】米航空宇宙局(NASA)は7日、国際宇宙ステーション(ISS)を民間人の宇宙飛行に開放すると発表した。観光や映像撮影、製品開発など無重力空間を活用した事業に使ってもらう。NASAの宇宙飛行士に選抜されるのは至難の業だったが、お金やアイデアがあれば宇宙基地に泊まって地球を眺めるのも夢ではなくなりそうだ。
2020年にも年2回、30日以内の"任務"を認める。米ボーイングとスペースXが開発している新型宇宙船を使う。NASAはISSで寝泊まりするのに必要な空気や水などを供給する代わりに、1泊3万5千ドル(約380万円)の滞在費を徴収する仕組みだ。
飛行士はNASAの健康基準を満たし、訓練を受ける必要がある。ロケットと宇宙船の打ち上げにかかる移動費に別途5000万ドル超かかる見通し。NASAはISSを使ってどのような事業を展開できるか民間企業からアイデアを募る。
従来は各国宇宙機関を通じて飛行士に選抜される必要があり狭き門だった。ロシアは自前の宇宙船で民間飛行を請け負っていたが、米国は初めての取り組みとなる。民間にISSを活用してもらって運用費の負担を抑え、24年までの実現を目指す有人月面着陸に資源を振り向ける狙いだ。